こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。
先週の貴金属市場は、ゴールド・シルバーともに修正波W2を形成している下降ウェッジをブレイクしてひけました。

このまま上昇し今週の安値圏での動きがフェイクだったと確定付けられた場合、8月に発生した急上昇のように大きな反発になる可能性があると筆者は考えています。
つまり価格がPOC(もっとも取引が多かった水準:点線)に戻り、そこで売り手の買い戻しを誘発して急上昇が発生するパスコースです。
安値を形成してから強気反転したあとのブレイクアウトですので、期待は大きいと思いますが、安値圏で形成されていたレクタングルをブレイクすることが先決となります。

本日はゴールドが、修正波W2を達成し、大きな上昇トレンドとなる衝撃波W3をスタートさせたか否かに焦点を当てて分析したいと思います。
今回の記事では、上昇に転じたと考えられる貴金属についてとりあげます(ファンダメンタルズに関してはXアカウント:@cohamizu1で発信します)。
日本においてはFXが最初に普及していきましたが、株価指数・金・原油・農産物などのFX版ともいえるのが、CFD取引と呼ばれる証拠金取引です。
貴金属CFD取引では「IG証券」であれば、株価指数・エネルギー・貴金属・農産物も含む17,000以上の銘柄を扱っており戦略の幅を大きく取ることができます。
貴金属市場の現状
2025年8月から発生したゴールドの上昇は、単一の要因ではなく、インフレ懸念による通貨価値の毀損による資産の価値低下を防止するためETF流入が加速した点、そしてドルの一局支配から脱却するため中央銀行買いが重なった結果です。
特に8月は、このETF流入が短期の起爆剤となり、その後の9–10月にかけて3,500ドル→4,000ドルへの加速につながりました。
シルバーと違い、ゴールドはこの時期に明確なスポット優位のバックワーデーションはほとんど出ていません。
上昇の主因は、現物逼迫そのものより、投資需要(ETF・先物)と公的部門の買い、マクロ要因が中心だったと推論できます。
ゴールドETFへの流入
では実際に昨年ゴールドを動かしたと考えられるETFへの資金流入はどれほどだったのかを確認してみます。
| 期間 | 世界金ETF流入(概算) | 備考 |
|---|---|---|
| 2025年8月 | 約55億ドル(約53トン) | 北米・欧州主導。月後半に加速 |
| 2025年9月〜11月 | 継続的なプラス | 7か月連続流入の途中 |
| 2025年12月 | 約100億ドル | 7か月連続の流入を確認。北米が中心 |
| 2026年1月 | 約190億ドル(史上最大月間) | 保有量が約120トン増、4,145トンで過去最高更新 |
| 2025年通年 | 約890億ドル(史上最大年) | 保有量3,224トン→4,025トン(+801トン) |
一方でゴールドは1月の高値以来、軟調な展開が続き下落し続けてきました。
市場が買い始めたという論拠があるかどうか確認すると静かに着実に買い戻し始めていることがわかります。
| 月 | 流入/流出(概算) | 保有量の変化・水準 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2026年1月 | +190億ドル | +約120トン → 約4,145トン | 史上最大月間流入。高値更新と同時 |
| 2026年2月 | +53億ドル | 約4,171トンへ | 9か月連続流入を維持 |
| 2026年3月 | −120億ドル | 大幅減少(最大月間減少に近い) | 史上最大月間流出。北米が−130億ドル。Q1流入を半減 |
| 2026年4月 | 詳細未確認(流出寄り) | — | 3月の調整後、明確な反転はまだ弱い |
| 2026年5月 | −20億ドル | 減少 | 欧州のみ小幅プラス、北米・アジアが流出 |
| 2026年6月 | −89億ドル | −約74トン → 約4,047トン | 北米中心の大きな流出。H1はなんとかプラス維持 |
| 2026年7月 | +30億ドル | +約23トン → 約4,068トン | 2か月連続流出を反転。欧州主導 |
| 2026年8月 | +180億ドル | +121トン → 4,189トン | 史上2番目の月間流入。北米・欧州が主導。保有量過去最高更新 |
| 2026年9月 | +100億ドル | +67トン → 4,256トン | 価格下落の中でも積み増し。保有量さらに過去最高。Q3合計+310億ドル(過去最大四半期) |
1月の記録的流入後、3月・5月・6月は明確な流出でした。
特に3月と6月は大きく、価格急落後の利確・ポジション削減が起きたことを示しています。
状況が変わったのは7月からで、8月・9月は再び強い積み増しに戻りました。
特に8月は+180億ドルと1月に次ぐ規模で、9月は価格が下落した中でも+100億ドルの流入が続き、保有量は4,256トンで過去最高を更新しています。
したがって、現在(9月末時点)は「買い手がETFを再び買い始めている」証拠はあります。
継続している中央銀行の買い
中央銀行の買いは、ETFのように3〜6月に大きく途切れたわけではなく、構造的に継続しています。
| 月 | ネット購入(トン、概算) | 主な買い手 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2026年2月 | 詳細未確認(Q1合計から逆算するとプラス) | ポーランドなど | Q1全体は約244トン(前年比+3%)。ポーランドが四半期で31トン |
| 2026年3月 | 約−30トン | — | ネット売却。ロシア・トルコなどが売り越し |
| 2026年4月 | 約+17トン | ポーランド、中国 | 3月の売却から反転 |
| 2026年5月 | +41トン | ポーランド(18トン)、中国(10トン)、ウズベキスタン、カザフスタン | 年内で高い水準。シンガポールも4トン購入 |
| 2026年6月 | +51トン | ポーランド(19トン)、中国(15トン)、ウズベキスタン(9トン) | 2026年で最高月間。H1合計約102トン(報告値) |
| 2026年7月 | +23トン | 中国(20トン)、ポーランド(8トン) | 中国が加速。YTD約130トン |
| 2026年8月 | +39トン | 中国(20トン)、ウズベキスタン(8トン)、ポーランド(8トン) | YTD約170トン。カザフスタンも7トン |
| 2026年9月 | 中国単体で**+23トン**(グローバル合計は未公表) | 中国が主導 | 中国は23か月連続購入。9月は2023年以降で最大月間 |
ペースは2022〜2024年の年間1,000トン超の水準よりは落ち着いており、2026年通年でそのペースに届くかは後半次第です。
ファンダメンタルズまとめ
中央銀行の買いは構造的な下支えです。
ポーランドや中国を中心に、価格が下がっても継続して買っているので、大きな下落を抑制する「床」の役割は果たしています。
ただし、月20〜50トン程度のペースでは、価格を急激に押し上げる主エンジンにはなりにくいです。
一方で、価格の加速や急落を実際に動かしてきたのは、ETF(および先物の投資フロー)の方が明確です。
- 1月に史上最大級の流入(約190億ドル)が入り、高値更新。
- 3月・5月・6月に大きな流出が出て、価格が急落。
- 7月から再び流入に転じ、8月に約180億ドル、9月に約100億ドルと積み増しが再開。
中央銀行の買いはこの期間ほぼ途切れず、方向性は安定していますが、価格の上下がETFフローの方向とよく重なっているのはデータ上はっきりしています。
したがって、「ゴールドの上昇を支える(特に加速局面を作る)のはETFからの資金流入だ」とはっきり言ってよいと思います。
中央銀行は「買われ続ける理由」を提供し、ETFは「いつ・どれだけ動くか」を決めるという分担に近いでしょう。
Gold(ゴールド)2026年10月第2週市場分析

Gold週足では、ETFへの資金流入が示すように7月で修正波ABCを完了し8月に衝撃波W1が発生したという認識です。
その後、9月は修正局面で、8月の上昇幅をすべて吐き出していますが、ETFによる資金流入は衰えていません。
一方で先物週次チャートにして1月のピークからFRVPを当てはめると、先週の動きがほぼボトムといえるVALからの反発であったと考えられます。
論理的には、取引が最も多かったPOC=4,520付近までの回帰、またはVAH=4,880付近までの上昇が期待できる買いの場面です。
よってエリオット波動で考慮して上昇トレンドの衝撃波W1に対する修正波W2が終了し、衝撃波W3がスタートしたという認識です。

Gold(ゴールド)日足分析)

では日足では、上昇局面に移ったという視点でFRVPを配置すると、少なくとも上昇トレンド支えるVWAP(緑線)を失っておりトレンドは下降トレンドのままです。
今回の反発が非常に強く、安値圏で形成されたレクタングルを実体で突破し、上昇トレンドの奪回と下降トレンドを示すVWAP(青線)を突破できれば一貫して上昇しVAHまで到達するパスコースで考えられます。
一方でVWAP(青線)はPOCとも重なるためレジスタンスとして機能しやすくなります。
そのため到達後、一時反落して買い遅れた勢力の流動性を吸収してから再度突破を試みるケースも可能性としては十分高いと思います。
このように安値圏で形成されたレンジを下方向に突破したように見せて、一転して買い戻され上方向にブレイクアウトするパターンは「フェイクセットアップ」と呼ばれており強気の買いパターンです。
課題はローソク足の実体が上値抵抗線を突破することです。

Gold 4時間足分析)ショートトラップパターンの完成で急騰する

4時間足で確認すると重要な安値をいったん割れて反転上昇した動きで、週次VWAP・POCも価格の遥か下に取り残されており、先週の売り方は完全に閉じ込めれらています。
これらの勢力は潜在的な買い方になります。
直近の高値も力強く突破していることから筆者はこのパターンを「ショートトラップ」だと推定しています。

ということは、週初の値動きで新たな買い手・買い戻しが見られずに、買い手を求めて価格が下落し始めた場合、先週の週次VWAP・POC付近まで達すればロングの好機です。
- 閉じ込められた売り手が最小限の損失で逃げるために買い戻し始める
- 大底で買った大口投資家が次の買いの好機として弱い買い手が投げたところで買う
- 新規の買い手がPOC・VWAPを押し目として買う
つまり週次VWAP4,143・POC=4,132付近は、以上の少なくとも3者が買いを決意していると推定されます。
よって筆者は、この付近までショートし週次VWAPまで回帰で反転ロングするか、ロングを待つかのいずれかです。
この点でトレードにおける失敗を未然に防ぐために、「累積出来高デルタ(CVD)」・「オーダーブロック」・「VWAP」という3つの指標を用いて多角的に内部構造を検証しています。

累積出来高デルタ(CVD)
累積出来高デルタ(CVD)は、期間中の買いと売りの出来高を累積し出来高の勢いを方向性として表すことができるインジケーターです。
純粋にモメンタムとして0ラインから上に変化すれば「買い」、下に変化すれば「売り」と考えても良いですが、リバーサル・ダイバージェンスなどトレンド転換のシグナルとしても有効です。
いまのところ価格は安値を更新したにも関わらず、CVDは切り上がっているため、強気ダイバージェンスで買い手が参入し急伸したと考えられます。

次は1時間足にブレイクダウンして、CVDが深く下落したのに(旺盛な売り意欲)、価格が切り上がるパターンが見られれば強気リバーサルと見て、買いから入る局面だと考えています。

オーダーブロック(需要ゾーン・供給ゾーン)
オーダーブロックは、指値注文が集まるところで、価格のトレンドが止められやすい傾向にあります。
またこのオーダーブロックが、突破されると(できれば一発で抜ける状態が望ましい)ブレイカーブロックと呼ばれるものになり、押し目買い・戻り売りのポイントになります。

4時間足は、以前の供給ゾーンで上昇が一時止められています。
突破できない場合、売りが供給され引き戻され新たな買い手が現れるまで待つことになります。

出来高加重平均価格(VWAP)・FRAVP
VWAPはイベント、出来高、価格を考慮したツールで、市場参加者の強気・弱気を判断するほか、抵抗線・支持線として機能します。
固定期間は、日・週・月で区切るのが通常ですが、下降トレンド・上昇トレンド期間で描画しても分析できます。

筆者の場合は、週固定VWAPを黄線、直近高値固定VWAPを青線、衝撃波W3の起点固定VWAPを緑線としています。
今のところ衝撃波W3の起点固定VWAPを下回っている状態は「上昇トレンドを失った状態」です。
奪還するまで何度でも買い手を求めて価格が引き戻されるケースが続くと考えてよいでしょう。
筆者は、Xに日々の見立て、Instagram・Pinterestにストラテジーを投稿しています。
逆に直近高値固定VWAP青線を奪回して安定しだすと、売り手が苦しみだしてショートカバーが発生し価格が急騰する場面があります。
ただまだ距離があるため、到達はさらに時間を買えるだろうと予測しています。

ゴールドのCFD取引できる業者間スプレッド比較
ゴールドの取引コストは、手数料は無料と謳われていますが売りと買いの差であるスプレッドが実質的な手数料となります。
したがって以下の表の中で取り組みやすいコスト提示をしている業者に口座を開いてトレードすべきです。
| CFD業者 | スプレッドpips | 最低証拠金 | 取引時間 |
|---|---|---|---|
| IG証券 | 0.3 | 210円 | 7:00~翌6:00 |
| GMOクリック証券 | 0.8 | 3,300円 | 7:00~翌6:00 |
| 楽天証券CFD | 0.7 | 33,000円 | 7:00~翌5:55 |
| 外為どっとコム | 0.8 | 33,000円 | 7:00~翌5:55 |
| ヒロセ通商 | 0.8 | 3,930円 | 7:00~翌6:00 |
最も低コストなのは、IG証券でその次に楽天証券CFDという順番になります。
\高還元率ポイントサイト/
【結論】貴金属価格2026年10月第2週見通し
先週のゴールド・シルバーは、上昇トレンド始点固定VWAPのサポートを失って急落しましたが、いったん安値更新と見せてフェイクセットアップで反転してきました。

ただしまだこのプライスアクションは完成していません。
描画した安値圏のレクタングルをローソク足の実体が突き抜けることが大事です。
金曜日の急伸時では、それが達成されませんでしたので、もう少し買い手を補充しなければその段階に進まないと考えていったんプルバックし、再び上昇してブレイクアウト→上昇トレンド起点固定VWAPを奪回すると考えています。
利用しているSNSが該当していれば、フォローしていただいて随時最新の見通しを確認していただければと思います。
貴金属価格についてよくある質問
貴金属価格についてよくある質問をまとめました。
ターゲットはいくらか?売買判断は?
これは自分でストラテジーを立案していないと、突発的に逆行した時に対処できないので、ご自分で立案してください。
その際には、実際に取引しているCFD取引業者のレートで再計算し、利益確定・損切ポイントを再計算しエントリーしてください。
特に貴金属に関しては、自分で分析せず人に頼った安易な質問に関しては、その一切の回答を拒否しており、問い合わせフォームからの質問に対しても回答する意思はありません。
基本的なトレード手法はどのように習得すればよいですか?
個人的にはテクニカル分析に関しては、この「マーケットのテクニカル分析」を読めば必要にして十分だと思います。
ただ近年は、筆者のようにオーダーブロック・累積出来高デルタ・VWAPを用いた分析手法が増えてきており、新たにこれらを網羅した書籍の出現が待たれます。
結局どのブローカーで取引を開始すればよいですか?
ゴールドの取引コスト(スプレッド)が最も安いIG証券がお勧めです。
株価指数・原油・貴金属・農産物など広範な商品取引では、17,000銘柄も取引できコストも低廉なIG証券の口座開設が適切となると思います。

