AVP(アンカー出来高プロファイル ) は、Trading Viewでしか使えない機能で、手動で計算の開始点を選択してそこから利用可能なバーの終点まで、指定した価格の範囲内で出来高データを表示するインジケーターです。
これによって、その資産の価格変動全体ではなく、どの価格帯で大きな出来高が生じているから抵抗となるか否か、出来高が薄いから価格が動きやすいなどの判断が可能になります。
この記事では、Trading Viewに搭載されているAVPについて、見方や実際の使い方、具体的なトレード方法を解説していきます。
AVP(アンカー出来高プロファイル)の使い方
トレードにおいて水平線でサポートやレジスタンスを引くことは必須ですが、「サポートとして機能するはず」または「レジスタンスとして機能するはず」という主観が入ってしまうことは多々あります。
しかしそこにAVPを表示することで「実際に市場参加者がどこで大量に売買したか」という客観的なデータを価格帯ごとに表示できるため、より客観的に注目価格帯を判断できます。
そのためAVPには、以下のような用途があります。
AVPは重要な支持帯・抵抗帯を見つけるために使われる
AVPで最も出来高が集中した価格帯はPOC(Point of Control)と呼ばれます。
POC付近では多くの市場参加者が取引しているため、以下の特徴が期待できます。
- 反発しやすい
- 価格が引き寄せられやすい
- レンジの中心になりやすい
つまり高値や安値そのものよりも、「どの価格帯で最も出来高が発生したのか」を見ることで、引いた水平線に対する市場参加者の関与の度合いを測ることができるのです。
AVPはブレイクアウトの真偽判定に使える
AVPでは、最も取引が大きかったPOCまたは、その期間で出来高の70%が処理された価格帯の上限=VAH・下限=VALを自動で表示することができます。
このPOC・VAH・VALが水平線と重複している箇所では、出来高と連動しているため信頼性が高く、AVP上で出来高が集中したゾーンを明確に突破した場合は、新しいトレンドがはじまりやすくなります。

またブレイクしたあとに、出来高が薄い領域に入ることで想定通り価格が走りやすい一方で、ブレイクした方向にまた出来高の厚い価格帯があるとブレイクしたの期待ほど値動きが走らない場合があります。
そのため水平線でトレードする方は特にAVPを設定したほうがより真偽判定が容易になります。
AVPはトレンドの起点分析に使われる
AVPの最大の特徴は、分析開始地点を自由に指定できることです。
そのため以下のようにある期間を切り出して分析することもできます。
- 大底
- 大天井
- 地政学イベント
- 金融政策の大転換後
などを起点に出来高分布を計測できます。
市場参加者がどの価格帯でポジションを保有しているかを把握できるため、「どちらにポジションが偏っているのか」を分析できます。
AVP(アンカー出来高プロファイル)とはどんなテクニカル指標?
AVP(Anchor Volume Profile)は、トレーダーが選択した起点から現在までの出来高分布を価格帯ごとに表示するインジケーターです。
通常の出来高が「いつ取引されたか」を示すのに対して、AVPは「どの価格帯で取引されたか」を示します。
この違いが非常に重要です。
出来高プロファイルの考え方
一般的な出来高はチャート下に表示されます。
しかし実際に知りたいのは、以下の情報だと思います。
- 買い手が多くいた価格帯
- 売り手が多くいた価格帯
- 市場参加者の平均的な建玉コスト
AVPはこれらを横方向のヒストグラムとして表示します。

上記の画像は1週間の期間のみで固定した期間固定出来高プロファイル(FRVP)ですが、これで何を見て判断すればよいのか一つ一つ解説していきます。
POC(Point of Control)とは?
POCとは期間内で最も出来高が集中した価格帯です。

市場参加者が最も取引した価格であり、いわば市場の重心といえます。
そのため価格はPOC付近に引き寄せられる傾向がありますので、以下のような使い方ができます。
- 利確候補
- 押し目候補
- 戻り売り候補
したがって行き過ぎた価格がPOCまで回帰する動きをとらえたり、POCで押し目・戻り目をつけて再びトレンドを形成するケースが多く見られます。
実際にこれを活用し取引方法を、検証しプライスアクションの手法として紹介していますので実際にテストしてみて採用を検討してみてください。

バリューエリア(VAH・VAL)とは?
AVPにはバリューエリアという概念があります。
一般的には全出来高の70%前後が集中した範囲です。

構成要素は以下の2つです。
- VAH(Value Area High)
- VAL(Value Area Low)
価格がバリューエリア内で推移している間はレンジ相場であることが多く、プライスアクションで反転のシグナルが出るとVAL→VAHまたはVAH→VALで価格が移動するケースが多くなります。
しかしエリア外へ出来高を伴って(CVDで出来高の方向性が出ていることを確認)抜けるとトレンド発生の可能性があります。

つまりここが重要な高値安値を結んだ水平線と重複している場合、信頼性がより高まります。
特に画像のように一方的なトレンドは、VALを下抜いてからCVDが一方方向に累積していっていることでも確認できます。
AVPの注意点
非常に便利なAVPですが、いくつか注意点があります。
起点選択によって結果が変わる
AVPは起点を自由に設定できます。
その反面、起点選択によって出来高分布も大きく変わります。
重要な高値・安値やイベント日を起点にしたり、1週間ごとに区切る方法が有効です。
流動性の低い市場では精度が落ちる
出来高分析全般に共通しますが、
流動性が低い銘柄では参考になりにくい場合があります。
よってできるだけ広く使われている銘柄を選択し、特定のブローカーの出来高を参照しない方がよいでしょう。
- WTIならCL先物
- 大豆ならZS先物
- 銀ならSI先物
以上のような流動性の高い先物市場を参照するとよいでしょう。
単独使用は推奨しない
AVPだけでも有力な分析は可能ですが、筆者は以下との併用を推奨しています。
- 固定VWAP
- CVD
またはPOCなどを活用したプライスアクションもありますが、複数の根拠が重なる場所ほど期待値が高くなるということです。
AVP(アンカー出来高プロファイル)まとめ
AVP(アンカー出来高プロファイル)は、特定の起点から現在までの出来高分布を価格帯ごとに分析できるインジケーターです。
従来の出来高では見えなかった「市場参加者がどの価格帯で取引したのか」を可視化できることが最大の特徴です。
- 固定VWAP
- CVD
などを組み合わせることで、支持帯・抵抗帯の分析精度は大きく向上します。
原油や貴金属などの先物市場を分析しているトレーダーであれば、一度は使いこなしたい出来高分析ツールと言えるでしょう。
AVPは、Trading Viewに標準載されていますので、下記のバナーから30日間無料お試しで実際に試してみましょう。