こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。
今回はローソク足をもちいたプライスアクションの一つ『ブリッシュ・エンガルフィング(ブリッシュリバーサル)』について解説します。
一般的には「ブリッシュ・エンガルフィング」と呼ばれているローソク足のパターンですが、ブルは強気、ベアは弱気、エンガルフィングは巻き込むという意味なので、ちょっと意味が通じにくいと思います。
そこでリバーサルなら反転という意味なので、『ブリッシュリバーサル=強気への反転』という意味になるので、読者にとって非常にわかりやすいと思います。
よってここでは、『ブリッシュリバーサル』という名称で呼びたいと思います。
実際の『ブリッシュリバーサル』とはどんな形状をしたプライスアクションかというと以下のようなローソク足の組み合わせで成立しています。
とくに下降トレンドが確認されている相場において、重要な安値水準でこのプライスアクションが出現するとそれまでの下降トレンドが終焉し上昇トレンドへの転換を示唆するので非常に重要です。
トレードの対象は、今回のトレードの事例で説明するアメリカの代表的な株価指数「S&P500」をはじめとした株価指数、個別株、FX、原油・金・銀などの商品などあらゆる投資対象に適用されます。
この記事では、相場の底打ちを示唆する『スパイクロー』について解説しますが、チャートを確認するときTrading View・楽天MT4CFDのいずれかをおすすめしています。
Trading Viewの場合は、有料プランでないと複数のインジケーターが使えないなどのデメリットがありますが、楽天MT4CFDだとほぼ無制限に分析項目を追加することができます。
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ブリッシュリバーサルとは?
『ブリッシュリバーサル』とは、画像のように下降トレンドの転換を示唆するプライスアクションです。
前日の陰線を包み込む大陽線が画像のように重要な安値水準で出現したらロングエントリーしますが、エントリータイミングは大陽線となったローソク足の終値を翌日以降に上回ったタイミングがセオリーです。
ロングポジションを構築する前に、『ブリッシュリバーサル』が成立する3つの条件について確認しましょう。
- 最初は下降トレンドの勢いのままに重要な安値を更新
- しかし反騰に転じ、直前の陰線を包み込む大陽線を示現し
- 直前のローソク足の実体よりも高値で引ける
以上が条件となりますので、こういったプライスアクションが発生している銘柄がないか注意深く確認してみましょう。
これを順番に説明します。
ブリッシュリバーサルの事例①NASDAQ100
NASDAQ100で2023年1月6日に発生したプライスアクションです。
12月13日から下落トレンドに陥っていた相場が、サポートを一旦割り込みますが、そこから急騰して前日の陰線を包み込む大陽線を示現させた事例です。
このときの『ブリッシュリバーサル』は、日足で出現していますので定義は以下のようになります。
- 前日のローソク足の安値を更新
- 前日の陰線を包み込む大陽線
- 前日の陰線の高値を終値で上回る
このときには、11,091から一挙に日足800SMA(緑線)=12,478まで12.5%も買い戻されています。
ブリッシュリバーサルの事例②WTI原油
同じくWTI原油で2015年3月18日に発生したプライスアクションです。
このときの原油価格は、下落し続けた後に44.20ドルを下限としたボックスを形成していましたが、一旦その重要なサポートラインを割り込みます。
しかしその後、急反発して前日の陰線を包み込む大陽線で再度サポートラインを回復しています。
この後、約6営業日で日足62EMAに到達し+15.41%も上昇した後、一旦プルバックした後再上昇を開始しています。
ブリッシュリバーサルから約25営業日上昇した後にCCIの弱気のダイバージェンスで利益確定した場合、約22%もの上昇となっています。
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ブリッシュリバーサルのエントリーと実際の効力
『ブリッシュリバーサル』は、安値更新と誤認させて勢いに乗って売っていたショートポジションが手ひどい返り討ちにあったという証跡になります。
そのためさらに下落すると誤認したかなりのショートポジションが含み損を抱えて残存している状態です。
これがさらなる上昇で耐えきれずに損切り(買い戻し)を行う過程で相場が急騰していきます。
問題はロングポジションを構築するタイミングです。
それまで下降トレンドが確認できているので、「行き過ぎだろうと」考えて単発でスパイクロー・ブリッシュリバーサルの出現を根拠にして逆張りで買い参戦しても、そのままトレンドが継続する場合があり非常に成功確率が低いトレードになります。
そのため重要なトレンドライン上で一旦ブレイクしたと誤認させて逆行する『ブリッシュリバーサル』が完成した後に、買い(ロング)を仕掛ければより成功確率が高まります。
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ブリッシュリバーサルのトレードタイミングは?
『ブリッシュリバーサル』は単体だけでは機能せず、重要なトレンドラインで出現するタイミングがより成功確率が高くなります。
狙うべきポイントは重要な安値を結んだ水平線、または下落トレンドチャネルの下値支持線です。
その重要なトレンドラインで一旦下値を更新したものの、その陰線を包み込む大陽線が出現すると『ブリッシュリバーサル』が成立します。
エントリー方法は、重要な安値水準(下値支持帯)を下抜け後に急騰し大陽線が完成したタイミングを狙います。
重要な安値水準(下値支持帯)を下抜けた後であるため、反発しはじめたタイミングでは、そのまま売りに押されて下落する可能性があり、リスクが高くなります。
従って直前の大陰線を完全に包みこんだ大陽線が出現してローソク足完成するまで待ち、翌日以降その大陽線の終値を上抜いたタイミングでロングポジションを構築すると上昇トレンドが開始されたタイミングに乗るため非常に成功確率が高くなります。
ブリッシュリバーサルが出現したときの実績
過去10年間でWTI原油において、ブリッシュリバーサルが出現したケースを調べてみましたが、6回程度しか出現しておらず、いずれも下落トレンドから大きな上昇相場への起点となっています。
それだけブリッシュリバーサルは、珍しいプライスアクションなのですが、共通しているのは最初の反発が日足62EMAまであった後、人が大きな跳躍の前にしゃがむように一旦調整してから本格的な上昇に移行する傾向にあることです。
最初に日足62EMAまでの反発では、ブリッシュリバーサル自体が大きな売買のあった大陽線の直後であるため、再加速するまで翌日~翌々日では結果は出にくく4営業日~8営業日は時間をかける必要があります。
日付 | エントリー | イグジット | リターン |
2015.3.18 | 44.70 | 351.47 | +15.14% |
2016.8.3 | 41.14 | 44.46 | +8.07% |
2017.8.31 | 47.07 | 49.14 | +4.4% |
2018.2.14 | 60.71 | 63.09 | +3.92% |
2018.12.26 | 46.87 | 54.08 | +15.38% |
2021.8.23 | 65.47 | 68.84 | +5.15% |
以上のように、ブリッシュリバーサルが出現して翌日以降終値を超えて上昇しはじめたタイミングでエントリーすると4営業日~8営業日で全勝という結果になっています。
CFDで損失を抑えるメリット
前述のエントリーの記述で「ストップはご自身が許容できる損失までに限定」と解説しました。
なぜ、損失を抑えるべきなのでしょうか?
それは思わぬ損失を受けて資産が減ればそれを取り戻すにはそれ以上の利益をあげなければならないからです。
50%もの損失を受ければ、取り戻すには100%のリターンが必要になる
「CFD取引」では、レバレッジをかけてハイリターンを狙うこともできますが、反面損失も大きくなるリスクがあります。
自身のポジションの思惑と違った方向に相場が動いて、大きな損失を受けてしまえばそれを取り戻すには以下のように損失以上の利益をあげなければ元本を取り戻すことができません。
- 20%の損失→25%のリターン
- 30%の損失→42.8%のリターン
- 50%の損失→100%のリターン
Twitterなどでは、レバレッジをかけた3倍ETFなどで散々にやられて50%もの含み損を抱えた状況を投稿している方も見かけます。
50%もの損失は、含み損でも確定した損失であっても、そこから100%のリターンをあげなければ取り戻すことはできず、それはトレードをしている方ならわかるようにとても困難なことなのです。
CFD取引の魅力は、ストップロスを設定して損失を抑えることができること
「CFD取引」では、株価指数・個別株・商品のFX版ですので多彩な注文方法を使うことができ、利益確定の注文はもちろん、損失を限定的にする注文もできます。
これをストップロスと呼びます。
例えば、最悪でも自身の資金の10%の損失までに抑えようということで、ストップロスを設定しても間違ってはいません。
思惑通りに相場がすすんで含み益がでてきたら、急に相場が戻ってくるリスクに備えて建値前にストップを移動して絶対に損をしないというポジションの取り方もできます。
しかしポジションを取るときには、リスク(損失):リワード(利益)が1:2以上になる有利な注文としておいて、取引を重ねるごとに段々利益が積み上がっていくようにすべきです。
今回の「②トレンド終焉フェーズ」のトレード例では、重要な安値水準というサポートあるためリスクは限定的になりやすいです。
一方で反発し始めると、それまで売り方に回っていた勢力が損切り(買い戻し)を行うため、予想以上に急速に上昇していきます。
つまりリスク(損失):リワード(利益)の割合がよいトレードがしやすいフェーズだともいえます。
ブリッシュリバーサルの精度を高める指標
『ブリッシュ・エンガルフィング(ブリッシュリバーサル)』単体による判断よりもそれを補足する指標も確認し、現状がロングの好機なのか確認しておきましょう。
代表的な指標としてチェックしてほしいのが以下の3つです。
- Fear-and-Greed Index
- IGクライアントセンチメント
- 米10年国債利回り
①Fear-and-Greed Index
Fear-and-Greed Indexとは、アメリカの大手メディアCNNが提供している株式市場の市場心理を示す指標です。
Fearは恐怖、Greedは貪欲を意味しており、株式市場が過熱しているときにはEXTREME GREED(極度の貪欲)となり、反対に暴落などで市場心理が冷え切っているときにはEXTREME FEAR(極度の恐怖)となります。
Fear-and-Greed Indexのパラメーター | 市場心理 |
76~100 | EXTREME GREED(極度の貪欲) |
56~75 | GREED(貪欲) |
46~55 | NEUTRAL(中立) |
26~45 | FEAR(恐怖) |
0~25 | EXTREME FEAR(極度の恐怖) |
『ベアリッシュリバーサル』が効果的なのは、やはり相場に過熱感があるEXTREME GREED(極度の貪欲)のときです。
または出現する少し前にEXTREME GREED(極度の貪欲)となっていた場合でも良いでしょう。
②IGクライアントセンチメント
IG証券とは、イギリスに拠点を置く、金融オンライン取引サービスのプロバイダー「IGグループ」で、株式・株価指数・外国為替証拠金取引・商品先物・CFD・バイナリーオプションなどを提供しています。
日本ではFXオンラインジャパンという会社名でしたが、2011年に「IGグループ」に統合されています。
この証券会社が提供している「IGクライアントセンチメント」は、グルーバルに展開している「IGグループ」の顧客がどのようなポジションになっているか示すものです。
個人投資家の習性は昔と今も変わらず、利益は一刻も早く利益確定して、損失は先延ばしにする傾向にあります。
そのため『ベアリッシュリバーサル』が出現して売りサインが点灯すると、ロングポジションが急増し、ショートポジションが急減するという相場と真逆の動きをします。
これは相場の価格形成を考えるとわかりやすく、なぜ買っている勢力が多くなっているに価格が下落するのかというと含み損を抱えた数的に多い買い勢力が増加していくと最後は耐えきれずに現在の価格よりも安値で損切り(売り)するから価格が下落するのです。
論理的には安値で買って、高値で売らなければ利益が出ませんが多くの人は今も昔もこれとは真逆の行動を取ってしまう習性があるようです。
例えば「S&P500」は、2022年の10月からショートポジションが増加し2023年6月あたりで大半がショートというポジション状態になっていました。
これら大勢を占めるショートポジションは、相場が上昇するにしたがって損失に耐えきれずに損切りを敢行する(買い戻し)ため、相場がさらに吹き上がる原因になりました。
これがFEDが利上げを行っている過程であるにも関わらず、2023年前半で「S&P500」が堅調だった理由です。
③米10年国債利回り
米10年国債利回りは、アメリカ合衆国が発行する債券に投資する代表的な資産運用の方法です。
投資家は、この米10年国債に投資して確実な利回りを受け取るのか、それともリスクを冒して株式投資してもっと高い利回りを追求するのか、または金利よりもインフレ率が高ければ不動産に投資するのか、または原油・金などの商品に投資したほうが有利なのか天秤にかけます。
米10年国債利回りが、仮に5%もあれば株式で下落リスクを抱えて投資するよりも魅力的であると判断する投資家は多いでしょう。
つまり株式投資で期待される利回りを米10年国債利回りが、大幅に超えるようだと株式市場から資金が流出する原因となります。
特に顕著なのがGOLDで貴金属には金利がつかないため、金利の動向に非常に敏感です。
そのため米10年国債利回り(名目金利)が、期待インフレの上昇率を超えて上昇している最中では、実質金利が上昇しGOLDが下落しやすい傾向になります。
分析チャートツールはダントツでTrading Viewが便利(代替は楽天MT4CFD)
この記事で掲載しているチャートは、Trading Viewを使っています。
とくに同じく持ち合いを示すトライアングルパターンをa・b・c・d・eでカウンティング機能、またはエリオット波動のカウンティング機能は、かなり便利で広く世界中のトレーダーに使われています。
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Trading Viewは、無料で閲覧できる高機能ツールですが、無料プランで表示できるインジケーターは2つまで、チャートを同時表示できないなど、十分な機能を使うには月額$12.95のエッセンシャル以上のプランにしなければ、機能に制限があるので不便に感じる場合があります。
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サクソバンク証券 | 0.5pips | 6.0pips | 0.3pips |
OANDA Japan CFD | 0.4pips | 3.0pips | 0.3pips |
DMM CFD | 0.5pips | 3.9pips | 1.2pips |
楽天MT4CFD | 0.5pips | 8.0pips | 2.7pips |
このようにGMOクリック証券はコスト面でも優れており、株価指数・商品・外国株を少額からでも取引できるメリットがあります。
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スタートはGMOクリック証券からはじめてみましょう。
こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。ネット証券は国内株式手数料無料化に踏み切ったSBI証券・楽天証券の口座を保有してない方はいないと思いますが、今回紹介するGMOクリック証券は、両者と比較しても国内株式の手数料が安[…]
ブリッシュリバーサルとは?トレードタイミング・方法まとめ
今回はローソク足をもちいたプライスアクションの一つ『ブリッシュ・エンガルフィング(ブリッシュリバーサル)』について解説しました。
『ブリッシュリバーサル=強気への反転』とは、下降トレンドの相場が上昇トレンドに転換することを示唆したプライスアクションで、見た目にも転換したことがハッキリわかるため習得しやすいテクニカル分析です。
このときのロングポジションは、一般的に直前の陰線を包み込む大陽線の高値を上回るタイミングで買いエントリーします。
単体で出現するよりも反転したポイントが重要な安値水準であれば、より成功確率が高くなります。
こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。下落トレンドのチャートで下ヒゲが異様に長く「底打ちではないか?」と考えられるローソク足が出現することがあります。FXで著名な陳満咲杜氏が執筆したプライスアクションの教[…]
トレードの対象は、今回のトレードの事例で説明したアメリカの代表的な株価指数「S&P500」をはじめとして、FX、原油・金・銀などの商品などあらゆる投資対象に適用されますので、トレード対象の銘柄を拡げて『ブリッシュリバーサル』の出現を待ちましょう。
今回のテクニカル分析では、多くの投資家が使っているTrading Viewで説明していきましたが、十分な機能を使うには月額$12.95のエッセンシャル以上でなければ分析はしにくいと思います。
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