こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。
移動平均線の組み合わせは、トレードの方法によって実に様々ですが、押し目買い・戻り売りで非常に役立っている62EMA(62本指数平滑移動平均線)を紹介します。
この移動平均線は、FXコーチのロブ・ブッカーが膨大なデーターに基づいて検証し提唱したものですが、不思議とFXだけでなくS&P500などの株価指数、原油などの商品でも当てはまります。
62EMA(黄太線)を上抜くと買い優勢、下抜くと売り優勢と判断されますが、具体的には黄線の束が上方向に拡散している上昇トレンド時では、ローソク足が下落して62EMAに接触してくると、押し目買いが活発になり反発しやすい傾向にあります。
逆に黄線の束が下向きに拡散している下落トレンドであれば、戻り売りの絶好のポイントとして機能します。
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62EMAは押し目買い・戻り売りで機能する移動平均線
フィボナッチ61.8とは、強気のトレンドであれば直近高値安値に引いたフィボナッチで38.2%押しとなる、61.8で反発しやすく押し目買いのポイントとして意識されます。
この61.8を四捨五入して移動平均線にしたのが62EMA(62本指数平滑移動平均線)です。
画像は、S&P500ですが黄太線で描画している62EMAで一時的な下落が止められて反発していることがわかります。
よってトレンドが形成され始めている相場に乗りたいが、どこで買ったら良いかというよいポイントになります。
上昇トレンドが発生しはじめた62EMAへの押し目で買う
トレンドは62EMAに30EMA・35EMA・40EMA・45EMA・50EMAを加えたGMMA(複合型移動平均線)にすることで、これが拡散している方向にトレンドが発生していることが視覚的にわかります。
画像でその事例を確認してみましょう。
誰しも上昇相場の大底を狙いたいものですがそう簡単ではなく、この画像のように62EMAで逆張りでポジションをとると反発せず、さらに下落して200SMA→800SMAと次々と際限なく下落していくケースもあります。
そうなると損失が膨らんで損切りせざるを得なくなります。
ですので特にレバレッジを効かせた取引の場合は、特に一旦反発して62EMAを抜いていくまでじっと好機をまちます。
画像のように一時的な下落相場から復帰して、ローソク足が62EMAを上抜いていくとGMMAが反転して上方向に拡散しはじめて上昇トレンドが発生し始めます。
そして62EMAをブレイクした相場の押し目買いの好機が、一旦62EMAまで調整してきたときなのです。
GMMAが上方向に拡散している場合は、長期的な方向性が上向きになっているということですが、このときに一時的に調整して62EMAまでローソク足が達すると新規で買いポジションを構築する好機になります。
62EMAまでの調整から反発に成功して10SMA(赤線)の上で推移するようになるとGMMAが示す長期組の買いトレンドと10SMAが示す短期組との方向性が一致して画像のようにレートが伸びやすくなります。
下落トレンドが発生しはじめた62EMAへの戻り目で売る
売りの場合も、誰しも暴落相場の大天井を狙いたいものですがそう簡単ではありません。
そこで押し目買いのケースと同じように一旦、上昇相場が崩れて62EMAを下抜けた後にGMMAが下方向に拡散し始めたところを狙います。
画像のように上昇相場が崩れるときは、ローソク足が62EMAを下抜いていくとGMMAが反転して下方向に拡散しはじめて下落トレンドが発生し始めます。
そして62EMAをブレイクした相場の戻り目の売りの好機が、一旦62EMAまで調整してきたときなのです。
GMMAが下方向に拡散している場合は、長期的な方向性が下向きになっているということですが、このときに一時的に調整して62EMAまでローソク足が達すると新規で売りポジションを構築する好機になります。
62EMAまでの調整から反落に成功して10SMA(赤線)の上で推移するようになるとGMMAが示す長期組の売りトレンドと10SMAが示す短期組との方向性が一致して画像のように大規模な下落トレンドが発生しやすくなります。
200SMA・800SMAから62EMAの上抜け・下抜けで順張り
移動平均線は62EMAだけでなく、200SMA・800SMAを加えることで押し目買い・戻り売りだけでなく62EMAのブレイクで順張りトレードもできます。
表示するインジケーターは判断を容易にするために以下の3つに絞って表示します。
- 62EMA(62本指数平滑移動平均線)
- 200SMA(200本単純移動平均線)
- 800SMA(800本単純移動平均線)
トレンドは上昇トレンド、下落トレンドがあり移動平均線の位置は以下のように定義づけされます。
- 【上昇トレンド】上から62EMA→200SMA→800SMA
- 【下落トレンド】上から800SMA→200SMA→62EMA
これが大きく崩れてないとき62EMAを上抜け・下抜けして元のトレンドに回帰したタイミングで順張りでトレードする方法です。
800SMAはトレンド発生の起点となりやすく、この移動平均線を起点として放たれたトレンドは、トレンドが終了すると800SMAまで戻って次の新たなトレンドを形成する傾向にあります。
大抵の証券会社のトレードソフトは、200SMAまでしか表示できませんが、MT4なら200SMAに加えて800SMAも表示できます。
200SMA・800SMAから反発で62EMAを上抜けば「買い」
例えば移動平均線が【上昇トレンド】を維持しており、下落トレンドから上昇トレンドへ回帰するときは、一旦200SMA・800SMAまで押されたローソク足が反発し62EMAを上抜けば、順張りの「買い」でエントリーします。
この場合、移動平均線の配置は上から「62EMA→200SMA→800SMA」と上昇トレンドを維持していますので、ローソク足が62EMAを奪還すれば長期組の買いトレンドと62EMAを奪還した短期組の買い勢力が合わさって距離の長い上昇トレンドを構築します。
この場合の判断は、順張りの「買い」となります。
200SMA・800SMAから反落で62EMAを下抜けば「売り」
逆に上昇トレンドから下落トレンドへ回帰するときは、一旦200SMA・800SMAまで戻ったローソク足が反落し62EMAを下抜けば、順張りの「売り」でエントリーします。
この場合、移動平均線の配置は上から「800SMA→200SMA→62EMA」と下落トレンドを維持していますので、ローソク足が62EMAを奪還すれば長期組の売りトレンドと62EMAを奪還した短期組の売り勢力が合わさって距離の長い下落トレンドを構築します。
この場合の判断は、順張りの「売り」となります。
62EMAの精度を高める指標
62EMAを含める移動平均線を使ったトレードによる精度をより高めるため、それを補足する指標も確認し、ブレイクアウトの方向が正しいのか確認しておきましょう。
代表的な指標としてチェックしてほしいのが以下の3つです。
- Fear-and-Greed Index
- IGクライアントセンチメント
- 米10年国債利回り
①Fear-and-Greed Index
Fear-and-Greed Indexとは、アメリカの大手メディアCNNが提供している株式市場の市場心理を示す指標です。
Fearは恐怖、Greedは貪欲を意味しており、株式市場が過熱しているときにはEXTREME GREED(極度の貪欲)となり、反対に暴落などで市場心理が冷え切っているときにはEXTREME FEAR(極度の恐怖)となります。
Fear-and-Greed Indexのパラメーター | 市場心理 |
76~100 | EXTREME GREED(極度の貪欲) |
56~75 | GREED(貪欲) |
46~55 | NEUTRAL(中立) |
26~45 | FEAR(恐怖) |
0~25 | EXTREME FEAR(極度の恐怖) |
Fear-and-Greed Indexが効果的なのは、主に株価指数の動向です。
過熱感があるEXTREME GREED(極度の貪欲)となっている場合は、さらなる上昇は考えにくく、むしろ持ち合いを下抜けて大きく下落していく可能性が通常よりも高くなります。
そのため62EMAへの押し目買いが効果的どころか、下抜けて大きく下落してしまうリスクもあります。
②IGクライアントセンチメント
IG証券とは、イギリスに拠点を置く、金融オンライン取引サービスのプロバイダー「IGグループ」が日本で展開するサービスで、株式・株価指数・外国為替証拠金取引・商品先物・CFD・バイナリーオプションなどを提供しています。
日本ではFXオンラインジャパン(当時口座を保有していました)という会社名でしたが、2011年に「IGグループ」に統合されています。
この証券会社が提供している「IGクライアントセンチメント」は、グルーバルに展開している「IGグループ」の顧客がどのようなポジションになっているか示すものです。
個人投資家の習性は昔と今も変わらず、利益は一刻も早く利益確定して、損失は先延ばしにする傾向にあります。
そのため強い上昇トレンドが発生するとロングが減ってショートが急増し、一時的な右肩下がりの平行チャネルが発生しても含み損を抱えたショートがなかなか減らないという現象が発生します。
あるいは右肩下がりの平行チャネルを下落開始と誤認してショートしている勢力も存在すると思います。
このように売っている勢力(ショートポジション)が激増すると後々上昇しやすくなります。
なぜかというと、これは相場の価格形成を考えるとわかりやすく、含み損を抱えた数的に多い売り勢力が増加していくと最終的に損失に耐えきれずに現在の価格よりも高値で損切り(買い戻し)するため価格が上昇するのです。
そのためショートポジションが激増した銘柄では、相場が上昇開始するにしたがって損失に耐えきれずに損切りを敢行する(買い戻し)ため、相場がさらに上昇していく可能性がたかいといえます。
論理的には安値で買って、高値で売らなければ利益が出ませんが多くの人は今も昔もこれとは真逆の行動を取ってしまう習性があるようです。
③米10年国債利回り
米10年国債利回りは、アメリカ合衆国が発行する国債に投資する代表的な資産運用の方法です。
投資家は、この米10年国債に投資して確実な利回りを受け取るのか、それともリスクを冒して株式投資してもっと高い利回りを追求するのか、または金利よりもインフレ率が高ければ不動産に投資するのか、または原油・金などの商品に投資したほうが有利なのか天秤にかけます。
米10年国債利回りが仮に5%もあれば投資額から20年で倍の金利が支払われます。
一方である株式の株価収益率が20倍以上なら、論理的に2倍になるまで20年の歳月が必要という計算になります。
したがって下落リスクを抱えて株式投資するよりも国債への投資で確実な利回りを確保できると判断する投資家は多くなります。
2023年8月~10月ではS&P500がジリジリ下落していましたが、それは株価収益率が当時22~23倍に達していたため国債に対して魅力がないと判断されたことは間違いないといえます。
またこの金利に特に顕著に反応するのがGOLD・SILVERといった貴金属で、これらの貴金属は金利がつかないため、金利が上昇していく局面では下落しやすく、反面金利が急低下する局面では上昇しやすくなります。
そのため米10年国債利回り(名目金利)が、期待インフレの上昇率を超えて上昇している最中では、実質金利が上昇しGOLDが下落しやすい傾向になります。
62EMA(62本指数平滑移動平均線)まとめ
62EMAは、61.8を四捨五入して指数平滑移動平均線にしたのが62EMA(62本指数平滑移動平均線)です。
EMAは、単純移動平均線(SMA)に比べて振幅が小さく、反応が早いためトレンドの転換点を早めに認識できるというメリットがあります。
62EMAは、FXコーチのロブ・ブッカーが膨大なデーターに基づいて検証し提唱したものですが、不思議とFXだけでなくS&P500などの株価指数、原油などの商品でも当てはまります。
この記事で説明した、62EMAへの押し目買い・戻り売りで非常に機能しますが、62EMAと200SMA・800SMAとの組み合わせで62EMAを上抜け・下抜けで順張りでポジションを取る方法も非常に有効とされます。
この使い方を事例として読者のトレードに役立てて頂きたいと思います。
他の証券会社のトレードソフトでは、200SMAまでは表示できてもトレンドの起点となる800SMAまでは表示できませんが、MT4ならこれが表示できます。
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