こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。
先週の見通しで、6月中強気相場が続いたWTI原油は、「週足ベースのトライアングル上値抵抗線を超える上昇を見せた後に反落する」かつ二度は、上値抵抗線へのトライを試すイメージでトレードしていました。
先週の見通しで、掲載した週足ベースのパスが以下のチャートです。
実際の先週の日足では、事前に想定していた$86まで行き過ぎた上昇は実現しませんでしたが、日足では二度上値抵抗線へのテストでブレイクアウトに失敗し反落を開始しています。
今回の場合では、$83.48ショート→$82.22イグジットで一旦離脱した後、4時間足で説明する上昇トレンドチャネルの下抜けを終値ベースで確認して82.22で再度追っかけショートしています。
複数重要なトレンドラインへトライを試してブレイクアウトに失敗している点が非常に重要だと思います。
4月のWTI原油も2023年9月の高値と4月に一度つけた高値を結んだトライアングル上値抵抗線を再テストした後に、ブレイクアウトに失敗し$87→$72へ17%前後の下落相場に陥っています。
従って今後の原油価格は、大きな下落トレンドに陥って週足ベースで観測されているトライアングルを下抜けて55ドルまで下落するシナリオを維持します。
この記事では、このように原油取引の週単位の見通しについてTrading Viewで分析し、実際のトレードは国内店頭CFD取引高9年連続No,1のGMOクリック証券で提示されているレートを想定して説明しています。
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原油価格(WTI・BRENT)の7月第3週の見通し
今後のWTI原油は、2023年9月以来形成しているシンメトリカルトライアングルの上値抵抗線で反落した後、トライアングル下値支持線を突き抜けて55ドルまで下落すると考えています。
トライアングルは様々な形状がありますが、一般的にはA・B・C・D・E波を形成して新たなトレンドを形成します。
現状のWTI原油は、最終E波(修正波)を達成した状態ですので、シンメトリカルトライアングルの最大幅($29.4)をE波終点($84.5)から引けば$55.1という目標値が浮上してきます。
この水準まで原油価格は下落するというシナリオに基づいて来週以降はトレードを行う予定です。
WTI原油日足分析)シンメトリカルトライアングル最終E波達成で反落
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シンメトリカルトライアングルの上値抵抗線に二度も(正確には三度)トライしてすべて上方ブレイクに失敗している点が重要です。
なぜなら市場参加者は、このトレンドラインを重要視していて買い方はこの水準で利益確定し、売り方はここで新規ショートしていることがわかるのでシンメトリカルトライアングルの最終E波が確定したことがわかるからです。
買い方にしてみればブレイクアウト前のプルバックに遭遇したものの、押し目買いして再びトレンドラインにトライ→内部の裏切り・新規売りに遭遇してトライ失敗という顛末になっています。
実際に先週のポジションは、ロング+8.87%増加・ショート▼10.27%減少という状態になっていますので、中途半端な水準で買いから入って含み損を抱えたポジションが増加したということです。
含み損を抱えた未決済ポジションが増加したということは、潜在的な売り要因(ロングポジションの損失に耐えきれず損切りする現象)となりますので、現在の原油価格は下落リスクが高い状態にあるといえます。
テクニカルでは、直近の安値圏($80.80)を突き抜けて天井を示唆するWトップを形成できるかという点が劣勢になってきた買い方が一斉にポジションを損切りするか否かの分岐点になってきます。
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WTI原油4時間足分析→上昇トレンドチャネル下方ブレイク
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BRENT日足分析)ウェッジ下抜けで急落の可能性が高まっている
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BRENT(北海原油)日足は、WTI原油に比べてチャートがキレイでトレンドライン・水平線が的確にレジスタンス・サポートとして機能しています。
上昇ウェッジを形成し下値支持線を割ってから下落が加速しています。
WTI原油に比べて反発が弱く、トライアングルの下値支持線を割り込めば、WTI原油よりもさらに大きな下落になる可能性が高いと思います。
WTI原油・BRENT北海原油の分析精度を高める指標
ここまで原油価格(WTI・BRENT)のトレードについて日足→4時間足で説明してきましたが、基本的にこの記事のトレード手法は4時間足でトレンドラインを引いて、1時間足を主に確認しつつ以下の3つのポイントを重視したトレード手法を採用しています。
その手法とは、以下の3つです。
主な手法としては、これらを使いまわしてより熟練度を高めようとしており、それ以外の値動きに関しては「得意ではない」という判断でスルーすることで勝率を高めることを狙っています。
こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。 X(旧:Twitter)で日々、原油取引について投稿しているので、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、基本的にWTI原油取引で生計を立てています。 そのためトレードの[…]
先週の2024年7月第2週の状況は、トライアングル上値抵抗線でブレイクアウト失敗が確認されたため、「①天井圏・底値圏でスパイクorリバーサルをともなうフォールスブレイクアウト」が成立したと考えています。
従って売りから入るべきです。
このように一見無限に存在しそうなチャートパーターンの中で得意なものだけを集中的に研究して、そのパターンではエキスパートになることが重要です。
反対にすべての場面で利益を獲得しようとすると無駄な損失を招く結果になるので、逆に遠回りになると思います。
以上①②③のパターンに加えてこれから説明する方向性を補強する指標も確認することで、今後の原油トレードに関して精度を高めることができるでしょう。
代表的な指標としてチェックしてほしいのが以下の3つです。
- 期待インフレ率
- IGクライアントセンチメント
- 米国エネルギー情報局(EIA)/短期エネルギー見通し(STEO)
①期待インフレ率
原油価格は、あらゆる物価に影響を及ぼすため経済活動にとって非常に重要なものです。
この原油価格の先行指標ともいえるのが、市場が推測するインフレ率を示す「期待インフレ率/BEI(Break Even Inflation rate)」です。
期待インフレ率は、物価連動国債の売買参加者が予測する今後最大10年間(物価連動国債の残存期間次第で10年未満になる場合がある)における年平均物価上昇率を示しており、将来の実際の物価や景気に影響を与え、それらの先行きを予測するうえで重要な指標となります。
実際にこの期待インフレ率は、原油価格に同調または先行する特徴があるため、毎日確認しておく必要があります。
今週末までの期待インフレ率は、やはり原油価格に先んじて下落開始しており、原油価格もこれに追随してくるリスクがあると思います。
これだけ見ると期待インフレ率を見て追随したトレードをすれば良さそうに感じますが、一致する確率は68%~78%の間で、変化が一致していたり先行したりと2割~3割程度は外れることがあります。
そのためこの指標が下落傾向にあれば「原油は基本売りから入る」、上昇傾向にあれば「基本買いから入る」ことで無用なリスクを低下させることができる指標だと考えればちょうどよいと思います。
現状は、チャートと期待インフレ率が相反する状態ですので判断は「ニュートラル」として、OPECプラスの決定を市場がどのように判断するのか見極める必要があります。
②IGクライアントセンチメント
「IGクライアントセンチメント」は、グルーバルに展開している「IGグループ」の顧客がどのようなポジションになっているか定期的に提供してくれています。
個人投資家は大抵トレンドとは逆のポジションをとる傾向にあるため、その習性を利用してロングが増加すれば弱気、ショートが増加すれば強気という売買の目安となります。
週末の個人ポジションを確認してみましたが、59.76%のネットロングと先週に比べてロングポジションが増え、ショートポジションが減っています。
ロングポジションも増えたということは、天井圏で捕まったポジションを損失に耐えながら保有していることを示しています。
この捕まったロングポジションが損切りする水準は$80.80以下だと考えられますので、やはり80.80に位置する下値支持帯の攻防が非常に重要になってきます。
なぜロングが多くなると下落リスクが高まるかというと、大勢の個人投資家は訓練を受けておらずトレンドと逆のポジションをとる習性があるからです。
つまり訓練されていない個人投資家は利益は一刻も早く利益確定して、損失は先延ばしにする悪癖があり、強い上昇トレンドが発生するとロングが減ってショートが急増し、逆に強い下降トレンドが発生するとロングが急増してショートが減る傾向にあります。
したがってロングの勢力が大半であることの意味は、下落方向に相場の方向性が志向されており、個人投資家は損失を抱えたロングポジションを持ち越しているため彼らがその損失に耐えられず損切り(投げ売り)を行うことでさらに下落する可能性が高く、上昇しても次々微益で利益確定するため上値が重い展開が想定されるのです。
このように、「IGクライアントセンチメント」で確認できる未決済ポジション(おそらく含み損を抱えたポジション)を観察することで、常に自身のポジションが少数派に属していてトレンドに乗れているか確認しておくことができるでしょう。
このように「IGクライアントセンチメント」は、実際のトレードに役立つ便利なツールです。
③米国エネルギー情報局(EIA)・国際エネルギー機関 (IEA)
米国エネルギー情報局(EIA)が毎月発表している短期エネルギー見通し(STEO)は、毎月発表されており原油価格を左右する需給状況をつぶさに知ることができます。
原油需給予測の指針となる国際エネルギー機関 (IEA)の7月月報はすでに発表されており、2024年の需給に関しては以下のような予測となっています。
- 2024年の需要予測は日量1億297万バレル(+日量1万バレル)
- 2024年の供給予測は日量1億300万バレル(+日量43万バレル)
- 2024年は日量3万バレルの供給超過
時間を追うごとに需給ひっ迫度合いが緩和され、供給超過に陥っています。
さらに来年の需給予測は大幅な供給超過が予測されており、時間の経過とともに原油価格は上値が重くなり下落リスクが顕在化するはずです。
分析チャートツールはダントツでTrading Viewが便利
WTI原油(または北海ブレント)のチャート分析では、Trading Viewを読者の方におすすめしています。
一般的なチャートシステムでは、この記事で掲載しているチャートのようなGMMA(複合型移動平均線)は標準装備されていないため、トレンドがどちらの方向に傾いているか直感ではわかりにくい問題があります。
ですので、まずはGMMA(複合型移動平均線)を導入できるTrading Viewの無料版からはじめてみましょう。
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無料で便利なチャートツールは楽天MT4CFD
Trading Viewは、無料で閲覧できる高機能ツールですが、無料プランで表示できるインジケーターは2つまで、チャートを同時表示できないなど、十分な機能を使うには月額$12.95のエッセンシャル以上のプランにしなければ、機能に制限があるので不便に感じる場合があります。
そこで無料でありながらテクニカル分析を無限に追加できる楽天MT4CFDを使うことでその問題を解決することができます。
MT4で原油のチャートをチェックするには、USOILのシンボルを追加することで可能になります。
Trading Viewに対する利点は、楽天MT4CFD口座を開設していれば無料で機能を使えることとローソク足の動きが非常に速く(MT4ではトレンドに乗ったポジションを維持しやすくなるため平均足を使っています)判断を下しやすいことです。
そのため短期売買になればなるほど、楽天MT4CFDを利用する優位性が活きてくるでしょう。
楽天MT4CFDならS&P500などの株価指数や金・銀・原油などの商品の高機能チャートMT4を無料で閲覧でき、リアルタイムでも取引ができます。
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低コストで少額資金からでも投資できるのはGMOクリック証券
チャートに関しては、Trading Viewまたは楽天MT4CFDで十分な分析ができます。
しかしWTI原油・北海ブレンド原油など世界中のあらゆる投資対象を現物株取引・CFD取引・FX取引により低コストで取引できるのは、GMOクリック証券です。
さらにアップデートにより例えばS&P500では、これまでCFD取引するのに必要だった最低証拠金65,000円前後が1/10の6,500円前後からでも取引できるように大きく改善され他の証券会社と比べて少額からでもスタートできるようになっています。
また実質的な取引コストであるスプレッドでも5月からは従来のスプレッドから▼38%も縮小しており非常に低コストです。
CFD取引会社 | S&P500 | WTI原油 | GOLD |
GMOクリック証券 | 0.0~0.3pips | 0.0~3.0pips | 0.0~0.3pips |
外為ドットコムCFD | 0.3pips | 2.0pips | 0.18pips |
IG証券 | 0.6pips | 2.8pips | 0.3pips |
サクソバンク証券 | 0.5pips | 6.0pips | 0.3pips |
OANDA Japan CFD |
0.4pips | 3.0pips | 0.3pips |
DMM CFD |
0.5pips | 3.9pips | 1.2pips |
楽天MT4CFD | 0.5pips | 8.0pips | 2.7pips |
特にGMOクリック証券は、アプリなどのツールの使いやすさやコスト面でも優れており、株価指数・商品・外国株を少額からでも取引できるメリットがあります。
そのためか取引高シェアにおいても証券CFDでは72%・商品CFDでは65%など「国内店頭CFD取引高9年連続No,1(GMOクリック証券調べ2014年1月〜2022年12月)」になっている証券会社です。
スタートは、GMOクリック証券からはじめてみましょう。
こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。 ネット証券は国内株式手数料無料化に踏み切ったSBI証券・楽天証券の口座を保有してない方はいないと思いますが、今回紹介するGMOクリック証券は、両者と比較しても国内株式の手数料が安[…]
【結論】WTI原油/BRENT北海原油2024年7月第3週見通し
原油価格(WTI・BRENT)の2024年7月第3週の見通しは、週足ベースで観測されているトライアングルの上値抵抗線でWTI原油が反落したため、これ以降の原油価格は下落が想定されます。
通常この二等辺三角形を横倒しにしたような形状(シンメトリカルトライアングル)は、内部でA・B・C・D・E波までこなして最終E波を達成すると新たなトレンドを形成します。
WTI原油は今回3回も上値抵抗線へのトライに失敗したため、最終E波は達成したと考えてよいでしょう。
よって原油価格(WTI・BRENT)の2024年7月第3週の見通しをまとめると以下の3つに集約されます。
- 週足ではシンメトリカルトライアングルを形成しており、最終E波(下落方向)を達成したこと
- トライアングル最終E波を達成した後は下落トレンドが発生する見込みであること
- IEAの需給予測で供給逼迫が緩和し来年にかけて供給過剰に陥ることが予測されていること
以上から原油価格は下落リスクが顕在化し、週足ベースのトライアングルで示唆されている下落ターゲット55ドルを達成するまで下落していくと考えています。
今回の分析に活用しているTrading Viewは、分析ツールとして広く一般的に使われていますが、十分な機能を使うには月額$12.95のエッセンシャル以上のプランにしなければ、機能に制限があるので逆に使いにくい部分もあります。
そのため実際には、十分な機能でかつ無料で分析を行うことができる楽天MT4CFDのチャートでトレードのタイミングを図ったほうが、コストも掛からず取り組みやすいと思います。