WTI原油/BLENT2024年5月第3週見通し/原油CFDブログ

こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。

来週の原油価格(WTI・BRENT)に関しては、下落基調を強めWTIでは74ドルを割り込む展開になると想定しています。

ポジションは78.27ショートをロールオーバーした状態です。

WTI原油日足

昨年末から続く上昇トレンドライン上を一旦割り込んだ後に下ヒゲが長く前日の陰線をすっぽり包み込む「ブリッシュリバーサル」が出現し、すわ反発局面かと期待が高まりましたが、5/10に急反落して上昇トレンドラインを割り込んで引けています。

ということは5/8の「ブリッシュリバーサル」は”ダマシ”に終わって、天井圏で形成されているヘッド&ショルダーズで計測される73.70~73.80までの下落が想定されるでしょう。

先週も前回の下落をサポートした日足62EMAを下抜けて戻り売り優勢の展開であることを記事にしましたが、週末の下落でそれが補強されたことになります。

これにさらに6月1日(土)に開催されるOPECプラスにおいて、OPEC加盟国中原油産出量第二位のイラクの石油相が次回会合で減産延長に同意しないと表明しています。

ということは、OPECプラスの減産延長という前提で形成されていた原油価格レンジが一段と切り下がる展開が予想できます。

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この記事では、このように原油取引の週単位の見通しについてTrading Viewで分析し、CFDで原油のトレードに取り組む方たちの参考になればと考えています。

WTI原油もしくは北海原油のトレードは、国内店頭CFD取引高9年連続No,1のGMOクリック証券で提示されているレートを想定して説明しています。
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原油価格(WTI・BRENT)の見通し

WTI原油週足

まず週足ベースでみても、原油価格は新たな下落トレンドチャネルを形成しており、これまでの上昇をサポートしてきたトレンドラインまで下抜けています。

したがって基本路線は戻り売りであり、ショートのポジションメイクを100%とすれば、たとえリバウンドが期待される局面であっても買いから入るときは50~70%といったところで抑えておくべきでしょう。

次にファンダメンタルズでは、以下の逆風が吹いています。

  • 昨年末から4月までの上昇は、第1四半期~第二四半期の需給逼迫を背景に中東情勢の緊迫化が拍車をかけたもので、すでに一連の争いはアメリカーイラン間で疎通が取れているもので原油供給に影響を及ぼさないこと。
  • 第三四半期は、供給超過に転落することが予測されており、サウジアラビアが身を削って減産していても趨勢を覆し難い状態にあります。
  • 6月1日(土)に開催されるOPECプラスでは、減産延長が既定路線となっていましたが、5月12日(日)にイラク石油相が「次回OPECプラス会合では減産延長に同意せず」と表明したことで減産延長もどうなるかわからない様相にまで転落しています。

こういった供給面もダブつくことが確定的になっている中で、発表されたアメリカ経済指標が相次いで弱体化しており、供給面の打撃と需要減退によるダブルパンチで原油価格の切り下げ圧力は避けようがない状態です。

したがって、来週の原油価格は一段と価格レンジを切り下げる弱気の展開が予想されます。

原油価格(WTI・BRENT)日足分析→ヘッド&ショルダーズが完成し74ドル割れへ

WTI原油日足

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WTI原油日足で分析すると、ヘッド&ショルダーズが天井圏で完成しており、その下値目処は73.70~73.80付近になることは既定路線です。
それでも今週は、年末から続く上昇トレンドラインでしばらく持ち応え、5/8には下ヒゲの長い「ブリッシュリバーサル」まで出現したことで、下落トレンドチャネルの上値抵抗線まで戻ってくることも想定できました。
しかし冒頭のように金曜日の急落で淡い反発期待が否定され、サポートされてきた上昇トレンドラインを割り込んでクローズしたことで、一時的な踊り場から原油価格が滑り落ちる展開が予測されます。
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原油価格(WTI・BRENT)4時間足→下落トレンドチャネルサポートレベルから一時反発も

WTI原油4時間足

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4時間足では、昨年末から続く上昇トレンドラインを割り込んだ相場が弱気に転換し、一旦下落をサポートした800SMA(緑線)前後の攻防となると思います。
800SMAは相場の中心となりやすく、トレンドに乗っていた相場が800SMA前後まで戻る現象がたびたび見られます。
今回のケースでは3月半ばから発生した上昇トレンドが終焉し、前述したファンダメンタルズの問題から、今度は新たに下落トレンドが発生する準備段階に入っていると考えてよいでしょう。
テクニカル分析の決め手は遅行スパンが実線をまっすぐ下抜いている点で、4/30の急落時と同様に大きなトレンドが発生する可能性が高くなります。

BRENT日足もヘッド&ショルダーズ→下値目処78mid

BRENT日足

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BRENT(北海原油)日足は、わりとチャートがキレイでトレンドライン・水平線が的確にレジスタンス・サポートとして機能しています。

こちらも下落トレンドチャネルが形成され、すでに先週の段階で割り込んだ上昇トレンドラインへの一時的な戻りがリターンムーブとなって跳ね返されたという認識で良いでしょう。

先週では、「戻りを待ってそれが限界点に達したところでショートする戦略を採るべき」と記述しましたが、その限界点はかなり早く来たようです。

BRENT(北海原油)の下落ターゲットはWTI原油のヘッド&ショルダーズと同じくヘッドのトップとネックラインまでの値幅6.67ドルを、右肩のネックラインを下方にブレイクしたポイントから引いた数値78.60~78.70付近がおおよそのターゲットになります。

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WTI原油・BRENT北海原油の分析精度を高める指標

ここまで原油価格(WTI・BRENT)のトレードについて日足→4時間足で説明してきましたが、基本的にこの記事のトレード手法は4時間足でトレンドラインを引いて、1時間足を主に確認しつつ以下の3つのポイントでトレード方法を採用しています。

  1. 天井圏・底値圏でスパイクorリバーサルをともなうフォールスブレイクアウト
  2. 天井打ち・底打ちの後、1時間足62EMAで押し目・戻り目
  3. トレンド継続のブルフラッグ・ウェッジ(下落トレンドではベアフラッグ・ウェッジ)

主な手法としては、これらを使いまわしてより熟練度を高めようとしており、それ以外の値動きに関しては「得意ではない」という判断でスルーすることで勝率を高めることを狙っています。

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他には、以下のようにキレイにチャートパターンをまとめて頂いている方もいますが、概ねこのチャートパターンを使い回すことで十分な成果を収めることができるでしょう。

要するに複数あるチャートパーターンの中で得意なものだけを集中的に行って、その方法論ではエキスパートになることが重要ですべての場面で利益を獲得しようとすると無駄な損失を招く結果になります。

以上のパターンに加えてこれから説明する方向性を補強する指標も確認することで、トレードの精度を高めることができるでしょう。

代表的な指標としてチェックしてほしいのが以下の3つです。

  1. 期待インフレ率
  2. IGクライアントセンチメント
  3. 米国エネルギー情報局(EIA)/短期エネルギー見通し(STEO)

①期待インフレ率

原油価格は、あらゆる物価に影響を及ぼすため経済活動にとって非常に重要なものです。

この原油価格の先行指標ともいえるのが、市場が推測するインフレ率を示す「期待インフレ率/BEI(Break Even Inflation rate)」です。

期待インフレ率は、物価連動国債の売買参加者が予測する今後最大10年間(物価連動国債の残存期間次第で10年未満になる場合がある)における年平均物価上昇率を示しており、将来の実際の物価や景気に影響を与え、それらの先行きを予測するうえで重要な指標となります。

実際にこの期待インフレ率は、原油価格に同調または先行する特徴があるため、毎日確認しておく必要があります。

今週末までの期待インフレ率は以下のように下落し続けています。

引用:期待インフレ率

目先少し反発していますが、昨年10月~12月の下落相場でもそれ程度の反発はあったので、継続的なものになりえるかはかなり厳しいと思います。

これだけ見ると期待インフレ率を見て追随したトレードをすれば良さそうに感じますが、一致する確率は0.68~0.78の間であるため、2割~3割程度は外れることがあります。

そのためこの指標が下落傾向にあれば「原油は基本売りから入る」、上昇傾向にあれば「基本買いから入る」ことで無用なリスクを低下させることができる指標だと考えればちょうどよいと思います。

現状の期待インフレ率から考えると原油は売りから入るべきだと考えています。

②IGクライアントセンチメント

IG証券とは、イギリスに拠点を置く、金融オンライン取引サービスのプロバイダー「IGグループ」が日本で展開するサービスで、株式・株価指数・外国為替証拠金取引・商品先物・CFD・バイナリーオプションなどを提供しています。

この証券会社が提供している「IGクライアントセンチメント」は、グルーバルに展開している「IGグループ」の顧客がどのようなポジションになっているか示しています。

個人投資家は大抵トレンドとは逆のポジションをとる傾向にあるため、その習性を利用してロングが増加すれば弱気、ショートが増加すれば強気という売買の目安を提供しています。

早速、週末の個人ポジションを確認すると、先週と比べロングは▼4.81%減少、ショートが▼4.73%減少しています。

これにより先週80.10%のネットロングだった勢力図は、78.27%のネットロングと大きく変わっていないものの、依然として含み損で捕まっている買い勢力が大半を占めることを意味しています。

引用:「IGクライアントセンチメント」

なぜロングが増えると下落リスクが高まるかというと、大勢の個人投資家は訓練を受けておらずトレンドと逆のポジションをとる習性があるからです。

つまり訓練されていない個人投資家は利益は一刻も早く利益確定して、損失は先延ばしにする悪癖があり、強い上昇トレンドが発生するとロングが減ってショートが急増し、逆に強い下降トレンドが発生するとロングが急増してショートが減る傾向にあります。

したがってロングの勢力が大半であることの意味は、下落方向に相場の方向性が志向されており、個人投資家は損失を抱えたロングポジションを持ち越しているため彼らがその損失に耐えられず損切り(投げ売り)を行うことでさらに下落する可能性が高いといえるのです。

このように、「IGクライアントセンチメント」で確認できる未決済ポジション(おそらく含み損を抱えたポジション)を観察することで、常に自身のポジションが少数派に属していてトレンドに乗れているか確認しておくことができるでしょう。

③米国エネルギー情報局(EIA)/短期エネルギー見通し(STEO)

米国エネルギー情報局(EIA)が毎月発表している短期エネルギー見通し(STEO)は、毎月発表されており原油価格を左右する需給状況をつぶさに知ることができます。

引用:EIA
引用:EIA
株式投資する際に金利を見て、個別株の業績をチェックするのと同じくらいEIAのデータは重要です。
原油を売買する以上は、この掲載データに関心がない人はいないと思います。
EIAの5月短観では、世界の需要見通しは日量1億284万バレルで4月から▼7万バレルの下方修正、供給は日量1億276万バレルで4月比+11万バレルの上方修正です。
差し引き日量8万バレルの不足となります。
しかし第二四半期36万バレルの不足に対して第三四半期は余剰が予想されており、それを早期に折り込みだしているのであれば弱気に推移しやすいでしょう。

コマツ・キャタピラーなどの決算でも2024年度の見通しに悲観的な内容が並び、アメリカの経済指標は相次いで低調なものに変化しています。

景気は弱体化し需要が見込めない状況を原油価格に織り込んできている可能性があります。

分析チャートツールはダントツでTrading Viewが便利

WTI原油(または北海ブレント)のチャート分析では、Trading Viewを読者の方におすすめしています。

WTI原油4時間足

一般的なチャートシステムでは、この記事で掲載しているチャートのようなGMMA(複合型移動平均線)は標準装備されていないため、トレンドがどちらの方向に傾いているか直感ではわかりにくいかも知れません。

ですので、まずはGMMA(複合型移動平均線)を導入できるTrading Viewの無料版からはじめてみましょう。

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Trading Viewは、無料で閲覧できる高機能ツールですが、無料プランで表示できるインジケーターは2つまで、チャートを同時表示できないなど、十分な機能を使うには月額$12.95のエッセンシャル以上のプランにしなければ、機能に制限があるので不便に感じる場合があります。

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Trading Viewはリアルタイムの反応速度が少し遅いです

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チャートに関しては、Trading Viewまたは楽天MT4CFDで十分な分析ができます。

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サクソバンク証券 0.5pips 6.0pips 0.3pips
OANDA Japan CFD 0.4pips 3.0pips 0.3pips
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【結論】WTI原油/BRENT北海原油2024年5月第3週見通し

原油価格(WTI・BRENT)の2024年5月第3週の見通しは、これまで上昇をサポートしてきたトレンドラインを割り込んだことで下落基調を強めWTI原油では74ドルを割り込む展開になると考えています。

WTI原油日足

すでにかなり早い段階から、コマツ・キャタピラーといった建機メーカーの経済見通しは弱気で推移しており、それを大半の投資家は無視してきました。

しかし景気後退ともなれば、原油価格は株式よりも落下速度が早く角度も急角度であるため、やはり売りから入るべきです。

今回の分析につかったTrading Viewは、分析ツールとして広く一般的に使われていますが、十分な機能を使うには月額$12.95のエッセンシャル以上のプランにしなければ、機能に制限があるので逆に使いにくい部分もあります。

そのため実際には、十分な機能でかつ無料で分析を行うことができる楽天MT4CFDのチャートでトレードのタイミングを図ったほうが、コストも掛からず取り組みやすいと思います。

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