プライスアクション「Anchored VWAP押し目買い」

VWAP押し目買いパターン 1200

プライスアクション「Anchored VWAP押し目買い」とは、上昇起点から引いたAnchored VWAPへ価格が調整し、VWAP付近で売りを吸収した後、直近高値を突破して上昇を再開するプライスアクションです。

強い上昇が発生した後、価格が一時的に下落すると、「上昇トレンドが終了したのではないか」と不安になる場面があります。

しかし、その下落がトレンド転換ではなく、利益確定による一時的な調整であれば、上昇の起点から引いたAnchored VWAP付近で買い注文が入り、価格が再び上昇へ転じることがあります。

ここでは、この値動きを「Anchored VWAP押し目買いパターン」と呼びます。

このパターンで重要なのは、価格がVWAPへ到達したこと自体ではありません。

市場の上昇構造が崩れていない状態で価格がVWAPまで調整し、VWAP付近で売りが吸収され、さらに直近の戻り高値を突破することで、買い手が再び主導権を握ったと判断します。

本記事では、Anchored VWAPが押し目の基準として機能し、上昇が再開するまでのメカニズムを5工程に分けて解説します。

このプライスアクションは、FRVPと組み合わせることでより精度を高めることができますので、Trading Viewで設定をして取り組みましょう。

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目次

Anchored VWAP押し目買いパターンの5工程

VWAPは、取引価格を出来高で加重して算出した平均価格です。

一般的なVWAPが取引セッションの開始時点など一定の位置から計算されるのに対し、Anchored VWAPは、トレーダーが選んだ特定の地点を起点として計算します。

Anchored VWAPは、その起点以降に市場参加者がどの程度の平均価格でポジションを保有しているかを考えるための基準になります。

価格がAnchored VWAPより上にある間は、起点以降の買い手が平均的に有利な状態にあると考えられます。反対に、価格がAnchored VWAPを明確に割り込み、戻しても回復できない場合は、買い手の優位性が失われ始めている可能性があります。

ただし、Anchored VWAPは必ず反発する支持線ではありません。

重要なのは、どこを起点としてVWAPを引くかという前提と、VWAP到達後の実際の値動きです。

第1段階:強い上昇インパルスが発生する

最初に、明確な買い圧力による強い上昇が発生します。

ローソク足では、次のような特徴が現れます。

  1. 大陽線が連続する
  2. 押し目が浅い
  3. 高値と安値を切り上げる
  4. 直前の戻り高値を明確に突破する
  5. 上昇途中の陰線が短い
  6. 下落してもすぐに買い戻される

この上昇の起点からAnchored VWAPを引きます。

ここで重要なのは、単にチャート上の最安値を機械的に選ばないことです。市場構造を変化させた上昇の起点や、大きな買い注文が入ったと考えられる安値を使用します。

強い上昇が発生すると、それまでショートを保有していた参加者は含み損を抱えます。同時に、上昇を確認した新規ロングも市場へ参加します。

主な買い注文は次のとおりです。

  • 上昇起点付近での新規ロング
  • 下降構造の終了を確認した買い
  • ショートポジションの損切り買い
  • 戻り高値突破を確認した追随買い
  • 既存ロングの追加買い

この段階では、明確に買い手が主導権を握っています。

第2段階:高値を形成し、利益確定が始まる

価格が大きく上昇すると、高値圏で利益確定売りが入り始めます。

上昇起点から買っていた参加者にとっては十分な含み益が発生しているため、一部のポジションを決済する動きが出ます。

また、急角度で上昇した後は、新規の買い手が高値を追いかけにくくなります。

この段階で発生する主な売り注文は次のとおりです。

  • 短期ロングの利益確定売り
  • 高値圏での逆張りショート
  • 上昇速度の鈍化を見たポジション縮小
  • 高値更新に失敗したことによる短期的な手仕舞い
  • 自動売買による利益確定

これらの売り注文によって、価格は高値から調整を始めます。

ただし、価格が下落しただけで、直ちに上昇トレンドが終了したとは判断できません。

上昇トレンド中にも、利益確定やポジション調整による下落は発生します。重要なのは、調整がどこで止まり、その後にどのような反応が現れるかです。

第3段階:調整がAnchored VWAPへ向かう

高値からの調整が続くと、価格は上昇起点から引いたAnchored VWAPへ近づきます。

このとき、価格は高値から下落しているため、見た目には売り手が優勢になっているように見えます。

しかし、上昇構造が崩れていない限り、この下落は新しい下降トレンドではなく、上昇相場の押し目である可能性があります。

調整局面では、次の売り注文が発生します。

  • 高値圏で買ったロングの損切り
  • 短期的な下降を狙う新規ショート
  • 既存ロングの追加利益確定
  • 高値切り下げを根拠にした戻り売り
  • VWAP割れを予想する先回りショート

一方、Anchored VWAP付近では、押し目を待っていた買い手が注文を準備しています。

そのため、価格がVWAPへ近づくほど、売り手と買い手の注文が衝突しやすくなります。

ここで確認すべきなのは、次の3点です。

上昇構造が維持されているか

高値から下落していても、上昇の起点や重要な押し安値を割っていなければ、上昇構造は維持されています。

下落の勢いが弱くなっているか

VWAPへ近づくにつれて陰線が短くなったり、下ヒゲが増えたりする場合、売り手の勢いが弱まっている可能性があります。

VWAPへ到達するまでに急落しすぎていないか

強い大陰線でVWAPを一気に下抜ける場合は、通常の調整ではなく、買い手の撤退が進んでいる可能性があります。

したがって、VWAPへの接近だけを根拠に買うのではなく、VWAP周辺で下落が止まる兆候を確認します。

第4段階:Anchored VWAPで反発し、買い手の防衛を確認する

価格がAnchored VWAPへ到達すると、押し目を待っていた買い手の注文が入り始めます。

この価格帯では、次の買い注文が重なりやすくなります。

  1. Anchored VWAPを基準とする新規ロング
  2. 上昇起点から保有しているロングの追加買い
  3. 調整局面で売ったショートの利益確定買い
  4. VWAPを一時的に割った地点での買い戻し
  5. 下ヒゲや反発足を確認した短期ロング

買い注文が売り注文を上回ると、価格はVWAP付近で下げ止まります。

ローソク足では、次のような反応が確認材料になります。

  • VWAP付近で長い下ヒゲが形成される
  • VWAPを一時的に割っても終値で回復する
  • 陰線の実体が徐々に小さくなる
  • 強い陽線が直前の陰線を包み込む
  • 小さな安値切り上げが形成される
  • 反発足の高値を次のローソク足が上抜く

この段階で重要なのは、VWAPへの接触と、VWAPでの反発を区別することです。

価格がVWAPに触れただけでは、買い手が防衛したことにはなりません。

VWAP付近で下落が止まり、価格が再びVWAP上へ戻り、さらに反発足の高値を上抜くことで、買い手の防衛が確認されます。

第5段階:直近高値を突破し、上昇が再開する

Anchored VWAPから反発した価格が直近の戻り高値を突破すると、押し目買いパターンの完成度が高まります。

VWAPから少し反発しただけでは、一時的な買い戻しの可能性が残っています。しかし、調整途中に形成された戻り高値を上抜くことで、売り手が価格を抑えられなくなったことが明らかになります。

この局面では、複数の買い注文が重なります。

  • VWAPで入った新規ロング
  • 反発確認後の追随ロング
  • 調整局面で売ったショートの損切り買い
  • 高値更新を狙うブレイクアウト買い
  • 既存ロングの追加買い

特に、VWAP割れや戻り高値での反落を期待していたショートは、直近高値を突破されると撤退を迫られます。

ショートポジションの決済は買い注文で行われるため、ショートカバーそのものが価格を押し上げます。

新規ロングとショートカバーが同時に発生すると、上昇が加速し、価格は前回高値の更新へ向かいます。

このパターンの本質

Anchored VWAP押し目買いパターンの本質は、VWAPが必ず価格を反発させることではありません。

本質は次の3点です。

1.最初に明確な上昇インパルスがある

先行する上昇が弱ければ、Anchored VWAPへ戻っても押し目買いが十分に入りません。

まず、市場構造を上方向へ転換させるだけの強い上昇が必要です。

2.調整中も上昇構造が維持されている

価格がVWAPへ下落していても、重要な押し安値を割っていなければ、上昇トレンド内の調整と判断できます。

調整中の高値と安値だけを見て、すぐに下降トレンドと判断しないことが重要です。

3.VWAP付近で買い手の反応が確認できる

VWAPに触れただけでは買いの根拠として不十分です。

下落停止、VWAP回復、反発足高値の突破、短期的な安値切り上げによって、買い手の防衛を確認します。

パターン全体の流れは、次のように整理できます。

上昇インパルス → 高値形成 → 利益確定による調整 → Anchored VWAP到達 → 買い手の防衛 → 直近高値突破 → 上昇再開

FRVPとの組み合わせ

FRVPとは、期間固定出来高プロファイルの略で、1週間の期間固定で設定する方法が一般的です。

ここで確認できるのは、もっとも取引された価格帯であるPOC、70%の出来高を構成する価格範囲の上限=VAHと下限=VALが表示できます。

上記のように直近安値から固定したVWAP=青色を描画したチャートでは、押し目買いのポイントとして機能していますが、とくにFRVPで自動設定されるVALと重複している箇所から買うとかなりの上昇を発生させています。

また強気に転じればPOCと重複した箇所で押し目買いを狙うと信頼性が高くなります。

プライスアクション「Anchored VWAP押し目買い」まとめ

nchored VWAP押し目買いパターンは、強い上昇の後に価格がAnchored VWAPまで調整し、その価格帯で買い手が売りを吸収した後、上昇を再開するプライスアクションです。

このパターンを判断する際は、次の5工程を確認します。

  1. 強い上昇インパルスが発生する
  2. 高値を形成し、利益確定売りが始まる
  3. 調整によってAnchored VWAPへ向かう
  4. VWAP付近で売りを吸収し、反発する
  5. 直近高値を突破して上昇が再開する

最も重要なのは、価格がVWAPに触れたことではありません。

VWAP付近で下落が止まり、VWAPを維持し、直近戻り高値を突破することによって、買い手が再び主導権を握ったと判断します。

Anchored VWAPはエントリーを自動的に決定する線ではなく、市場参加者の平均取得価格と、その価格帯における反応を観察するための基準です。

上昇インパルスが前提、VWAP反発が初期確認、直近高値突破が上昇再開の確認です。

この3つを分けて判断することで、一時的な自律反発と、本格的な上昇再開を区別しやすくなります。

このプライスアクションは、FRVPと組み合わせることでより精度を高めることができますので、Trading Viewで設定をして取り組みましょう。

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