こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。
先週のシルバーは、トレンド継続型の下降ウェッジをブレイクアウトして上昇トレンドに復帰したと判断しています。

それまでの5波構成の衝撃波W1に対する3波構成の修正波ABCが完了し、衝撃波W3がスタートした可能性があります。
今回の記事では、長期トレンド再度上昇に転じたと考えられる貴金属についてとりあげます(ファンダメンタルズに関してはXアカウント:@cohamizu1で発信します)。
日本においてはFXが最初に普及していきましたが、株価指数・金・原油・農産物などのFX版ともいえるのが、CFD取引と呼ばれる証拠金取引です。
貴金属CFD取引では「IG証券」であれば、株価指数・エネルギー・貴金属・農産物も含む17,000以上の銘柄を扱っており戦略の幅を大きく取ることができます。
貴金属市場の現状
シルバーは今週1オンス約67.150ドルで引けています。
1月29日の史上最高値121.62ドルから約44.8%下落していますが7月からゴールドに先行して買い戻され、8月まで買い戻され、9月は一転して軟調な推移が続いています。
ゴールドは約4,424ドル前後で、1月の5,600ドル超の高値から春に約4分の1調整したあと、8月に買い戻されましたがシルバーと同じく9月はやや軟調な値動きが続いています。
金銀比価はおおむね66対1前後で、1月の43倍から51%上昇しています。

9月15〜16日のFOMCでは、その後のゴールド・シルバーが反発したのが確認できるため、政策金利の0.25ポイント引き上げが市場でほぼ織り込まれていたことが認識できます。
8月のインフレ指標と中東の原油供給ショック(サウジパイプライン攻撃で原油が100ドル超)が利上げ確率を押し上げた要因です。
決定直前のインフレ指標であるCPIは前年比3.4%、コアは2.4%(2021年3月以来の低水準)、PPIは前年比5.4%、10年国債利回りは約4.97%(2023年10月以来の高水準)、10年TIPS実質利回りは約2.55%(8月中旬の約2.35%から約20bp上昇)です。
実質金利=逆相関が効きにくくなった
従来、ゴールドは利子を生まないため実質金利が上がると保有コストが上がり、資金は債券へ移るとされてきました。
しかしアメリカがウクライナ戦争でロシアに対してドルシステムから締め出すという制裁措置をしてから、特に非西側諸国において外貨準備をゴールドに移行する動きが活発化し、2024〜2025年も実質金利が明確にプラスの局面で金が高値を更新してきました。
この米国債の保有割合が低下している傾向は、実は2008年から長期的なトレンドになっています。
⚠️Foreign institutional holdings of US Treasuries are COLLAPSING:
— Global Markets Investor (@GlobalMktObserv) September 18, 2026
The share of Treasuries held by foreign central banks, governments and other official institutions is down to ~13%, the lowest this century.
This weight has HALVED over the last 7 years.
The secular decline… pic.twitter.com/OagAM4sKWv
アメリカ・イラン間の戦争中も自国通貨を守るため準備が売られる傾向となっており、これ以降の外貨準備の再構築の際に米国債が再び選ばれるとは考えにくく、一層ゴールドが選好される傾向となりそうです。
価格の限界需要を決めてきたのは、かつてはGLDなどのETFを通じた欧米投資家(実質金利に敏感)でした。
ところが2022年以降は中央銀行が第二の買い手として貴金属のトレンドを形成してきました。
世界金協会(WGC)によると、中銀の金購入は2022〜2024年に各年1,000トン超、2025年は863トン。
年間鉱山生産のおよそ4分の1を吸収する規模です。
これら中銀の準備資産構築は、25bpの利上げ一つでは巻き戻されることはなく、実質金利等への金利感応度の低い買いが積もっていく雪のように積み重なっています。
シルバーは、利上げより「ポジション」と「現物需給」が論点
一方でシルバーはゴールドより貨幣需要が薄いため、投機的なポジションの増減に注目します。
CFTCデータ(9月8日時点)では、COMEX銀先物の投機筋ネットロングは建玉の25.2%、8月18日の19.7%(ポジション洗い出し局面)から、価格下落のさなかにロングが積み上がったようです。
そして今回のFEDの利上げ織り込みの過程で、ネットロングは大きな影響を受けていません。
| 基準日 | 建玉(OI) | 投機筋ネット | OI比 | 前週差(枚) |
|---|---|---|---|---|
| 8月18日 | 120,117 | 23,625 | 19.7% | −21 |
| 9月8日(記事) | 103,250 | 26,049 | 25.2% | −690 |
| 9月15日(最新) | 103,745 | 25,326 | 24.4% | −723 |
ただネットロングは、急上昇した1月と比較して低いどころか比率ならむしろ高めです。
| 基準日 | 建玉(OI) | 投機筋ネット | OI比 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 12/23 | 155,710 | 35,884 | 23.0% | 急騰前〜序盤 |
| 1/6 | 153,240 | 29,271 | 19.1% | 70〜80ドル台 |
| 1/13 | 151,513 | 32,060 | 21.2% | 84→91ドル |
| 1/20 | 152,020 | 25,214 | 16.6% | 94ドル前後 |
| 1/27 | 156,637 | 23,703 | 15.1% | 105〜117ドル |
よって筆者は、シルバーの価格上昇は現物逼迫とバックワーデーションが主要因と考えています。
SNS等で話題になっている現物需給はFOMCとはほぼ独立しており、シルバーは2025年まで5年連続の供給不足(2025年は4,030万オンス)、2026年も6年連続で4,630万オンスの不足が見込まれ、2021年以降の累積不足は7億6,210万オンスです。
Silver deficits are piling up.
— Lukas Ekwueme (@ekwufinance) September 4, 2026
We are now in the sixth consecutive years of silver deficits.
Cumulative deficit are exceed one year of silver mine production.
At the same, time industrial demand is surging
How long can the market ignore these fundamentals? pic.twitter.com/YNa8TtXuAn
シルバーの多くは金・銅・亜鉛の副産物で、価格が上がってもすぐ増産しにくく、電子・太陽光など産業需要も25bpの利上げではすぐ変わっていないようです。
1月に価格が70ドル台から120ドル超へ急騰した時に顕著な変化があったのが投機筋とManaged Moneyです。
12月末のMM +21,887が、高値直前の1月27日には +7,699まで落ちているからです。
1月13日週は先物が約76.7ドルから約84.9ドルへ上がったのに、MMはロングを4,000枚超売却し、高値週もロング削減+ショート追加です。
- 投機筋ネット 25,326/OI比 24.4%(1月高値直前の+15.1%)
- MMネット 13,124/OI比 12.7%(1月高値直前の+約4.9%)
- 建玉 10.4万枚(1月の約15.6万枚より薄い)
つまり1月の爆発は「ファンドが先物を買い上がった」相場ではなく、現物需要と受け渡し圧力が価格を持ち上げたと整理できます。
一方でその現物需要を推定できるのが、バックワーデーションです。
シルバーのバックワーデーション
直近のCOMEX先物は約 67.15ドル、スポット系は約 66.26ドル 前後、差はおおよそ +0.89ドル(先物が高い=コンタンゴ) です。
1月はその逆のバックワーデーションです。
当時そのスプレッドは、最大 1オンスあたり2.88ドル(1980年以来)に拡大していましたし、EFP(ペーパーを現物に替えるコスト)は通常の約4.4倍の1.10ドルへ拡大、上海とCOMEXの東西乖離も過去最大級でした。
| 2026年9月 | 2026年1月 | |
|---|---|---|
| 関係 | 先物 > スポット | スポット > 先物 |
| 差の目安 | 約 +0.9ドル | 最大約 −2.9ドル |
| 通常の解釈 | 金利・保管コストを乗せた普通の形 | 今すぐ地金が欲しい |
| physically | 受け渡し圧力は相対的に弱い | 受け渡し圧力は相対的に強い |
銀先物は保管と資金コストの分だけスポットより高いのが普通です。
それが逆転した1月は、手元の地金にプレミアムが乗っていた時です。
いまは普通のコンタンゴに戻っています。
したがってこのスプレッドがどのように変化しているのかを確認していく必要があるでしょう。
ファンダメンタルズ分析のまとめ
ゴールドは、ドルという基軸通貨の減価に対するヘッジとして選好され、米国債に替わる外貨準備として各国の中央銀行が買っており、今回のアメリカ・イラン戦役中のアメリカのプレゼンスが低下する過程でさらに買いが今日されたというのが筆者の結論です。
よって単発のFOMCは本来の論拠にはなり得ていないようです。
シルバーについては、現物が現実的にひっ迫している中で、手元の地金にプレミアムが乗って来るタイミングをバックワーデーションの有無で確認する必要があります。
後述するテクニカル分析で上昇トレンドが再開された可能性について触れますが、その真贋は先物とスポット価格のスプレッドの推移をよく観察する必要がありそうです。
Silver(シルバー)2026年9月第3週市場分析

シルバーは、昨年50ドルをブレイクアウトしてから驚異的なショートスクイーズで121ドルまで駆け上がりましたが、その直後の暴落から長期間の調整期間を余儀なくされています。
反転機兆しが訪れたのが、1月29日のトップから継続していた下降ウェッジの上値抵抗線をブレイクアウトした8月10日からで、それ以来原油高に対する逆相関から抜け出し、7月~9月の原油高騰の圧力に対して下落しなくなりました。
エリオット波動としては、衝撃波W1に対する修正波W2が下降ウェッジの形状で進行していた可能性が高く、今週のブレイクアウトにより衝撃波W3がスタートしているという推論です。
シルバー日足分析)下降ウェッジのブレイクアウトとターゲット

シルバーの日足では、トレンド継続型「下降ウェッジ」が確認でき、これをブレイクアウトしています。
累積出来高デルタ(CVD)では、連続で強気ダイバージェンスが点灯して7月中旬から反発開始し、1月から継続していた下降トレンドラインをブレイクアウトし、その真上でさらに下降ウェッジを形成していました。
テクニカル分析として非常に強気のシグナルです。
先物の直近安値55ドルから8月28日の直近高値72.05まで値幅は17.05ですので、通常下降ウェッジではブレイクポイントにこの値幅を加えることでターゲットを計測します。
- 直近高値72.05-直近安値55=17.05
- ブレイクポイント66.575
- ターゲット66.575+17.05=83.625
冒頭で確認した日足で確認できる下降トレンドチャネル上値抵抗線と符合します。

GOLD日足分析)下降ウェッジのブレイクアウトとターゲット

ゴールドの日足では、トレンド継続型「下降ウェッジ」が確認でき、これをブレイクアウトしています。
累積出来高デルタ(CVD)では、強気ダイバージェンスが点灯してから反発開始し、9月に入って形成していた下降ウェッジをブレイクアウトしています。
このときにCVDは安値が切り下がっているのに価格は切り上がっています。
このケースでは、成り行きの売りの勢いを指値による買いが吸収しているという構図ですので、今回の下降ウェッジのブレイクアウトなどの売り手が買い戻すトリガーが確認されるとショートカバーで価格が上昇します。
ターゲットは前述のシルバーと算出方法は変わりませんので5,085付近となります。

シルバーのCFD取引できる業者間スプレッド比較
シルバーの取引コストは、手数料は無料と謳われていますが売りと買いの差であるスプレッドが実質的な手数料となります。
したがって以下の表の中で取り組みやすいコスト提示をしている業者に口座を開いてトレードすべきです。
| CFD業者 | スプレッドpips | 最低証拠金 | 取引時間 |
|---|---|---|---|
| IG証券 | 4.0 | 3,330円 | 7:00~翌6:00 |
| GMOクリック証券 | 5.0 | 530円 | 7:15~翌6:00 |
| 楽天証券CFD | 3.8 | 5,300円 | 7:00~翌5:55 |
| 外為どっとコム | 5.0 | 640円 | 7:00~翌5:55 |
| ヒロセ通商 | 5.0 | 5,300円 | 7:00~翌6:00 |
最も低コストなのは、楽天証券CFDでその次にIG証券という順番になります。
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【結論】貴金属価格2026年9月第3週見通し
先週のゴールド・シルバーは、トレンド継続型の下降ウェッジをブレイクアウトして上昇トレンドに復帰したと判断しています。

5波構成の衝撃波W1に対する3波構成の修正波ABCが完了し、衝撃波W3がスタートし83ドルを捕捉する可能性があります。
大きな上昇に直結するかどうかは、シルバーのバックワーデーション次第で、まだそれを裏付けるにはまだ不十分だと思います。
筆者は、Xに日々の見立て、Instagram・Pinterestにストラテジーを投稿しています。
利用しているSNSが該当していれば、フォローしていただいて随時最新の見通しを確認していただければと思います。
貴金属価格についてよくある質問
貴金属価格についてよくある質問をまとめました。
ターゲットはいくらか?売買判断は?
これは自分でストラテジーを立案していないと、突発的に逆行した時に対処できないので、ご自分で立案してください。
その際には、実際に取引しているCFD取引業者のレートで再計算し、利益確定・損切ポイントを再計算しエントリーしてください。
特に貴金属に関しては、X認定ユーザー以外の質問は拒否しており、問い合わせフォームからの質問に対してもその一切を回答する意思はありません。
基本的なトレード手法はどのように習得すればよいですか?
個人的にはテクニカル分析に関しては、この「マーケットのテクニカル分析」を読めば必要にして十分だと思います。
ただ近年は、筆者のようにオーダーブロック・累積出来高デルタ・VWAPを用いた分析手法が増えてきており、新たにこれらを網羅した書籍の出現が待たれます。
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