こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。
チャート画面の下に表示されている出来高(Volume)バーを見て、「これでどうやってチャートの方向性を見出すんだろう?」と悩んだことはないでしょうか?
筆者もこれに手を焼いていた最中で見つけたのが、この累積出来高デルタ(Cumulative Volume Delta, CVD)です。

CVDは、単なる価格や出来高の情報では把握できない市場の実質的な買い・売り勢力のバランスを示す指標であり、特に短期的な反応や長期的なトレンド強弱の把握に役立ちます。
この記事では、累積出来高デルタ(Cumulative Volume Delta, CVD)について解説し、活用方法も説明していきます。
TradingViewでは、2024年からこのCVDを採用しており、特に出来高が正確に出やすい先物のチャートで使うことで出来高による方向性を把握することができます。
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累積出来高デルタ(CVD)の使い方
総出来高だけを示す一般的な出来高指標とは異なり、累積出来高デルタ(CVD)は「量の方向性」を明確化でき、対象となる銘柄の買いと売りの圧力の差を測定し、その累積を可視化するテクニカル指標です。
累積出来高デルタ(CVD)はトレンド把握に使われる
CVDの基本的な使い方は、トレンド把握であり、できるだけ単純化すると以下の2つに要約されます。
- CVDラインが上昇:買い圧力優勢、強気トレンド継続可能性
- CVDラインが下降:売り圧力優勢、弱気トレンド可能性
結果として、CVDは「その出来高が実際に買い主導か売り主導か」を反映し、価格変動を推進する力を把握できます。
こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。X(旧:Twitter)で日々、原油取引について投稿しているので、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、基本的にWTI原油取引で生計を立てています。そのためトレードの[…]
累積出来高デルタ(CVD)は市場の転換も分析できる
テクニカル指標として使われるRSIやCCIのように、CVDもダイバージェンス・リバーサル分析を加えることで市場の転換を分析することにも長けています。
端的に示すと以下のイラストに集約されます。
これを一つ一つ説明していきます。
CVD強気リバーサル(下降トレンドの吸収)
CVDが新安値を更新しているが価格が安値を更新しない場合、強気リバーサルに分類され、原油市場では日足で確認されることが多くなっています。
これは、価格をさらに押し下げようとする積極的な売り手による多くの活動がありながら、彼らの成行売り注文は指値買い注文によって吸収されているため、売り手の買い戻しにより上昇への反転が予想されます。
全体的に強気リバーサルとなり、細かく確認すると累積デルタがそれぞれの谷間で安値が更新されているにも関わらず、買い手が積極参入してきたことで累積デルタが安値を更新せず上昇し始めています。
また二番目の谷間で下ヒゲの長いローソク足「スパイクロー」が出現して、累積デルタを採用していない勢力でもプライスアクションでトレンド転換を認識させていることも重要です。
こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。下落トレンドのチャートで下ヒゲが異様に長く「底打ちではないか?」と考えられるローソク足が出現することがあります。FXで著名な陳満咲杜氏が執筆したプライスアクションの教[…]
CVD強気ダイバージェンス(下降トレンドの枯渇)
価格が新安値を更新したもののCVDが安値更新していない場合、強気ダイバージェンスに分類され、原油市場では1時間足など、比較的短い時間足で出現します。
これは、価格の下落を続けるために必要な積極的な売り手からの関心がないことを示しており、短期間の上昇への反転が予想されます。
単独での判断よりも、同じくイベント・出来高・価格を計算した指標であるVWAPを当日の始値に設定することで、VWAPバンドのブレイクでトレンドフォローでポジションをスタッキングし利益を極大化できます。
こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。VWAPとは、「Volume Weighted Average Price(出来高加重平均価格)」の略で、取引所で成立した価格を価格ごとの売買高(出来高)で加重平均したインジ[…]
CVD弱気リバーサル(上昇トレンドの吸収)
CVDが新高値を更新したものの価格が高値更新していない場合で、原油価格では弱気シグナルはダイバージェンスで出現することが多いものの、弱気リバーサルは1時間足では時折ありますが日足で観測されることは稀です。
これは、価格を押し上げようとする積極的な買い手による多くの活動があることを示していますが、彼らの成行買い注文は指値売り注文によって吸収されています。
翌日は、大陽線内に収まった陰のはらみ足(インサイド)となっており、弱気転換をさらに後押ししています。
CVD弱気ダイバージェンス(上昇トレンドの枯渇)
価格が新高値を更新したもののCVDが高値更新していない場合で、同じく1時間足で検出されるケースが多いですが、日足でも弱気パターンは重要なところで出現します。
これは、価格の上昇を続けるために必要な積極的な買い手からの関心がないことを示しており、短期間の下落への反転が予想されます。
画像の例では、自動的にダイバージェンスが表示されるインジケーターで、弱気ダイバージェンスが観測されてから翌日の始値から設定した出来高加重平均価格(VWAP)を下方にブレイクすると大きく下落しています。
1時間足などの短い時間帯なら、累積デルタの単独使用ではなく、当日のVWAPのブレイクアウトを併用すると、ポジションの追加判断がしやすくなり利益が大きくなります。
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累積出来高デルタ(CVD)とはどんなテクニカル指標?特徴は?
総出来高だけを示す一般的な出来高指標とは異なり、累積出来高デルタ(CVD)は「量の方向性」を明確化でき、対象となる銘柄の買いと売りの圧力の差を測定し、その累積を可視化するテクニカル指標です。
出来高(Volume)の考え方
出来高(Volume)は、「出来高は株価に先行する」という相場格言があるように、出来高は価格変動のエネルギーを示します。
一般的に、出来高と価格は同じ方向に動く傾向があるため基本的な考え方は以下の通りになります。
- 出来高増加 + 価格上昇:強い買い圧力を示唆しており、上昇トレンドの信頼性が高いと判断できます。
- 出来高増加 + 価格下落:強い売り圧力を示唆しており、下降トレンドの信頼性が高いと判断できます。
そのため価格が上昇しているときに出来高も増加していれば、その上昇トレンドは多くの投資家によって支持されており、継続する可能性が高いと考えられます。
反対に価格が下落しているときに出来高も増加していれば、強い売り圧力があることを示しており、下降トレンドが続く可能性が高いと考えられます。
出来高の考え方としてはこれが一般的であると思います。
累積出来高デルタ(CVD)は、出来高の方向性を示す指標
従来の出来高の考え方に対し、その出来高の方向性を示すCVDの考え方は以下のとおりとなります。
- デルタ(Δ):特定の価格帯や取引セッション内で発生した「買い出来高」から「売り出来高」を引いた値。
正のデルタ:買い優勢(強気)
負のデルタ:売り優勢(弱気) - 累積:各ローソク足やバーで計算されたデルタを連続的に足し合わせ、長期的な市場の力の傾向を示します。
- 結果:「その出来高が実際に買い主導か売り主導か」を可視化し、価格変動を推進する力を示します。
つまり以下の考え方が主流です。
- CVDラインが上昇:買い圧力優勢、強気トレンド継続可能性
- CVDラインが下降:売り圧力優勢、弱気トレンド可能性
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累積出来高デルタ(CVD)の計算方法
「累積出来高デルタ」では、より広い視野を得るために期間中のデルタ値を累積していきます。
- ローソク足の始値がそのバーの計算開始点(その他の場合では、前のCVDのローソク足の終値が次のローソク足の始値になります)
- 買い約定の出来高を加算。
- 売り約定の出来高を減算。
- ローソク足ごとのデルタを集計して累積。
※各期間がリセットされると累積値はゼロにリセットされます。
累積出来高デルタ(CVD)の注意点
非常に役に立ちそうな、CVDですがやはり欠点もあります。
- 取引所やデータの正確性に依存する。
- 流動性が低い市場や短期間の変動ではノイズが入りやすい。
- 単独での使用は限界があり、例えば移動平均線などの他の指標と組み合わせて分析すること
よって分析対象となる銘柄に対して、もっともボリュームが大きい先物で発生している出来高を参照したほうが正確性が高いといえるでしょう。
ですので原油であればブローカーのCFDではなく、「CL1!」を参照とすべきでしょう。
累積出来高デルタ(CVD)まとめ
累積出来高デルタ(CVD)は、従来の棒グラフ状の出来高とは異なり、それに方向性を見いだせるように工夫された指標です。
従来の総出来高だけを示す一般的な出来高指標とは異なり、累積出来高デルタ(CVD)は「量の方向性」を明確化でき、対象となる銘柄の買いと売りの圧力の差を測定し、その累積を可視化するテクニカル指標だといえます。
価格のダイナミクスに対する裏付け情報として、戦略的な取引判断をサポートする高度な分析ですが、分析する銘柄はできるだけ流動性が高いものを選択し、移動平均線などの他の指標も組み合わせて分析しましょう。
TradingViewでは、2024年からこのCVDを採用しており、特に出来高が正確に出やすい先物のチャートで使うことで出来高による方向性を把握することができます。
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累積出来高デルタ(CVD)についてよくある質問
累積出来高デルタ(CVD)についてよくある質問をまとめました。
累積出来高デルタ(CVD)はどのチャートシステムで閲覧できますか?
累積出来高デルタ(CVD)は、他のチャートシステムでは搭載されておらず、仮に採用されても特定のブローカーの出来高では信頼性に欠けます。
TradingViewでは、2024年からこのCVDを採用しており、特に出来高が正確に出やすい先物のチャートで使うことで出来高による方向性を把握することができます。
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累積出来高デルタ(CVD)について最新の情報を入手するにはどのSNSをフォローしたらよいか?
累積出来高デルタ(CVD)については、X公式・Bluesky公式で主に原油価格で最新の見解を投稿するようにしています。
基本的に1年は52週=13週×4シーズンで構成されており、月度ごとで見通しを立てるよりも1週間毎、1年間52週で戦略を立案してその都度軌道修正していくべきだと考えています。
そのため今後は、予め作成した13記事を残し、4シーズン×13週単位で更新していく方法をとります。
そして文字数の制約のないFacebookページで投稿した内容を今後の検証材料・アーカイブとして残す形式をとることにしました。
原油価格の見通しについて、アーカイブをまとめています。1年は52週あり、それをシーズンごとで4分割(春・夏・秋・冬)すると13週単位となります。今後はすでに投稿されている1シーズン13週分の記事を更新し、[…]
結局どのブローカーで取引を開始すればよいですか?
下記の表に有力なCFD業者を比較して掲載しています。
以下の表の中で取り組みやすいコスト提示をしている業者に口座を開いてトレードすべきです。
| WTI原油スプレッド | 最低取引数量(最低証拠金) | 取引時間 | |
| FXTF | 2.7 | 10(約5,300円) | 7:00~翌日6:00 |
| ヒロセ通商 | 2.8 | 1(約530円) | 7:00~翌日6:00 |
| 外為ドットコム | 3.0 | 10(約5,300円) | 7:00~翌日6:00 |
| GMOクリック証券 | 3.0 | 1(約530円) | 7:00~翌日6:00 |
| GMO外貨 | 3.0 | 1(約530円) | 7:00~翌日6:00 |
| IG証券 | 3.8 | 10(約5,300円) | 7:00~翌日6:00 |
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