こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。
2021年から高進したインフレによりにわかに活況を浴びたのがコモディティへの投資です。
このコモディティの投資は、アメリカの中央銀行にあたるFED(連邦準備制度)が金融引き締めを開始するまで活況を呈していきました。
引用している画像は、世界のコモディティ市況全体の値動きに連動するeMAXISプラス コモディティインデックスという投信の2022年5月の月次報告書の基準価額の推移です。
引用:eMAXISプラス コモディティインデックス5月報告書
コロナショックで一時的に下落したものの、その後の量的緩和により最悪期から3倍もの上昇を演じたことがわかります。
このときは、原油をはじめ小麦・とうもろこし・鉄鉱石など様々なものが値上がりしましたが、異常なほど出遅れたのが銀(シルバー)です。

インフレなのに上昇するどころかむしろ下落しています。
何故か?それは金(ゴールド)・銀(シルバー)はその性質から金融市場に発生する事象を先取りする性質があるからです。
つまり2020年のコロナショックの発生時における通貨の増刷によるインフレの発生は原油をはじめとするコモディティが織り込んできましたが、金(ゴールド)・銀(シルバー)はそれは早々に織り込み、むしろインフレを抑制するためのFEDによる急ピッチの金融引き締めを織り込んできたからなのです。
しかしインフレが一時的に沈静化しFEDが利上げから利下げへ舵を切る時、金(ゴールド)・銀(シルバー)は2022年10月あたりから早々と織り込んで猛烈な上昇を開始しています。
今回は、1970年代のスタグフレーションでもっとも上昇したアセットクラスである銀(シルバー)に焦点をあてて、これの価格形成のメカニズムと投資するタイミングついて解説していきます。
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1970年代の物価高騰時代における金価格・銀価格の推移
よく現在と比較されている1970年代の物価高騰・景気後退が同時に発生したスタグフレーションでは、インフレは第一波(1973年~1975年)、第二波(1977年~1980年)と二度にわたって世界経済を襲っています。
※厳密には1960年末に発生した比較的小規模なインフレを含めると三度発生している
当時は、インフレが高進すればFEDがそれを抑制するための利上げをおこない、利上げによって景気後退となりインフレが一時的に弱まると、気を緩めて利下げをしたためインフレが再発するということを繰り返しインフレは長期化しています。
この当時は、インフレ抑制の金利高騰のため日本の投資家がこぞって投資している米国株投資は報われず、S&P500の期間中のリターンは14%程度と低迷しており、今回のインフレでもS&P500は2022年1月の高値から25%の下落を喫しています。
そのためブログでもSNSでも基本的には、株価指数による投資を勧めていません。
スタグフレーション時代に高騰したのは金・銀
ではインフレなら生活必需品である「とうもろこし」・「小麦」は、当時はどうかといえば、とうもろこしは3倍、小麦なら4倍の高騰にとどまり異常さを感じるほどの価格高騰は起きていません。
ところが異例だったのは、金・銀です。
1973年~1980年の期間では、金(ゴールド)は約10倍、銀(シルバー)は約25倍と、異常を感じるほど指数関数的な暴騰をしていることがわかります。

特に銀(シルバー)の当時の上昇具合は凄まじく、1973年初頭には1トロイオンス=2ドル程度だったのに、1980年1月には48ドルにまで暴騰しています。
ところが、物価を測る上でよく比較されるビックマックの価格は現在は5.15ドル、一方で40年前のビックマック価格は0.95ドルです。
さらに銀(シルバー)にいたっては、当時は1トロイオンス=48ドルまで高騰したのに現在の価値は26ドルと倍どころか過去よりも値下がりしています。
どう考えてもありえないと思います。
スタグフレーションでなぜ金・銀が選好されたのか?
インフレは、物の価格があがり通貨の価値が低下したことを意味していますが、人は富を保全をするために減価していく貨幣ではなく錆びたり劣化することなく価値を保全できる貴金属が選好されます。
金(ゴールド)・銀(シルバー)は、かつては通貨としての役割を持ち、近年では金本位制度のときには基軸通貨ドルの貨幣価値を金価格との対比でその価値を表されるなど現在でも重要視されています。
確かに低インフレ・低金利の時代なら株式投資に勝るものはなく、リスクを負って企業の成長に賭けて株式投資を行うことでその恩恵を受けることができます。
しかし前述の通り、物価高騰・景気後退が同時に発生したスタグフレーションでは、株式投資は年率1~2%程度のパフォーマンスでしかなくインフレから考えると実質マイナス運用です。
前述のグラフでは、S&P500は低空飛行すぎて上昇したのか下落したのかさっぱりわからないため、S&P500の価格推移のみ掲載すると一時半値近くまで暴落したことがわかります。

そこからなんとか回復していったものの、同期間のパフォーマンスは14%程度と株式は低調なパフォーマンスでダメ、債券も金利上昇時には価格が下落するのでダメ、MMFや現預金ではどう考えてもインフレに負ける。
そうなるとインフレから富を守るため、逃げ回った資金は消去法的に金(ゴールド)・銀(シルバー)になだれ込み価格が高騰したのです。
銀(シルバー)の投資タイミングはいつ?実質金利の低下が真の上昇要因
では、スタグフレーションで最もパフォーマンスの良かった銀(シルバー)に投資するタイミングはいつが良いのでしょうか?
最高のタイミングだったのは2022年11月3日、もしくは2023年3月10日です。

なぜかというと、貴金属は金利がつかないため金利の動向に非常に敏感だからです。
この2022年11月3日・2023年3月10日では、金利が上昇から下落したエポックメイキングな瞬間でこれを銀(シルバー)は鋭敏に捉えています。
しかし金利といっても、FEDが政策金利として決定しているFFレートはオーバーナイト金利のことであって、貴金属の価格動向に直接的な影響を及ぼしていません。
金価格・銀価格の上昇は名目金利の低下が間接的な要因
実際に先程例にあげた2022年11月3日、2023年3月10日は、FOMCで利上げが行われた直後であって、金利が上がれば金価格は下落するという単純な論理なら、下落するはずなのに金(ゴールド)・銀(シルバー)は逆にこれを足がかりにして急速上昇しています。
なぜか?それは実例で挙げたFOMCでは、FFレートに引き上げと同時に今後の見通しに関して記者会見が行われますが、このときはかなりタカ派な論調で将来の金融引き締めを示唆したため、行き過ぎた利上げで景気が低迷する見込みで米10年国債利回り(名目金利)が低下したからです。
米10年国債利回り(名目金利)は、米国経済の見通しを示しており、株式・商品と比較され、投資家は債券に投資して確実な利回りを受け取るべきなのか、それともリスクを負って高い利回りが期待できる株式に投資するのか、インフレでいずれも期待できないので金(ゴールド)に投資するのか天秤にかけます。
そのため米10年国債利回り(名目金利)が低下したことで、金利のつかない金(ゴールド)・銀(シルバー)への投資妙味が増して選好されたのです。

しかし実際にチャートを比較して見ている方なら気づくように、米10年国債利回り(名目金利)の上下に金(ゴールド)・銀(シルバー)は必ずしも反比例していません。
それはもう一つの要因、期待インフレの動向があるからです。
金価格・銀価格の真の上昇要因は実質金利の低下が要因
実質金利は、金(ゴールド)・銀(シルバー)の動向に直接的な影響を及ぼし、実質金利が上昇すれば貴金属は下落し、実質金利が下落すれば貴金属は上昇します。
計算式は以下の通りです。
- 実質金利=名目金利-期待インフレ
つまり、米10年国債利回り(名目金利)の動向だけでは、金(ゴールド)・銀(シルバー)の価格動向は決定せず、もう一つの要因期待インフレが今後どうなるのかが重要になります。
期待インフレ率とは?市場関係者らが予想している物価上昇率
期待インフレとは、ブレークイーブンインフレ率といって、一般的に10年国債利回りから10年物価連動債利回りを差し引いた値を指します。
要するに市場が予想しているインフレ率であり、景気が強ければ上昇し、景気後退時には下落します。
読者にとって非常にわかりやすいのが、新型コロナウィルスの感染爆発で景気後退が発生したときで(グレーの網掛け期間)、期待インフレは猛烈な急低下を喫しています。
こういった場合、何が起こるかというと例えば、名目金利がそれまで2%程度で期待インフレが1.7%程度だったとすれば、実質金利は「2%ー1.7%=0.3%」です。
ところが景気後退懸念で名目金利が1.5%まで低下し、期待インフレがこのチャートのように0.5%まで急低下した場合、実質金利は「1.5%ー0.5%=1%」と逆に上昇してしまうのです。
景気後退時や歴史的な株価の急落時に安全資産であるはずの金(ゴールド)・銀(シルバー)が急落するのは、これが原因であり現実2020年2~3月の金(ゴールド)は画像の通り急落しています。

したがって、逆をいえばコロナショック時の場合では、量的緩和で急速に期待インフレが急回復し、低金利政策で名目金利が低いままである場合では、一方的に実質金利が低下し金(ゴールド)・銀(シルバー)が急騰したのです。
今後の実質金利はどうなる?金(ゴールド)は上昇か?下落か?
では2023年5月の段階では、どうかというと期待インフレはさほど低下していないものの、相次ぐ銀行破綻で銀行破綻の直接的な原因であるFFレートを緩和方向に持っていかざるを得ないため名目金利が低下していきます。
つまり、実質金利が低下するため金(ゴールド)・銀(シルバー)は上昇しやすい環境だといえます。
2023年5月3日のFOMCでは、インフレの沈静化をうけ、パウエル議長はようやく利上げ停止を示唆しています。
つまり名目金利は、これ以降は右肩下がりで、景気がこれ以上悪化しなければ、金(ゴールド)・銀(シルバー)の買いの好機であることは間違いないでしょう。
しかし現在の状況では金(ゴールド)・銀(シルバー)を買っておけばあとは右肩上がりに上昇するという安易な環境ではなく、経済動向次第では急落がありえるということになります。
なぜなら、経済がクラッシュすれば期待インフレがコロナショック時のように急低下し、実質金利が計算上、急上昇してしまうからです。
ただしその急落時は明らかな金(ゴールド)・銀(シルバー)の買いの好機であり、かのジム・ロジャースも銀(シルバー)の大規模な買いをここで実行する目論見のようです。
【まとめ】銀価格の今後の見通しと高騰する理由・投資タイミングについて
2023年5月現在は、インフレこそ沈静化しつつありますが、相次ぐ銀行破綻によりFEDが利下げに追い込まれつつあり金利は明らかな下り坂です。
過去の事例を紐解けば、このインフレ沈静化は一時的なもので中央銀行が気を緩めて金融緩和に安易に走れば、インフレは第2波・第3波と発生し長期化します。
唯一の方法は、ボルカー議長のように次々企業が倒産しても、市井が失業者で溢れかえってもインフレが根絶するまで金融引き締めを止めないことです。
しかしそれは、尋常ならざる胆力と精神力が必要であり、頭脳の優劣だけではできないことです。
当方は、現状のFEDのメンバーでインフレ退治を貫徹できるか疑っています。
彼らは2022年3月に大規模かつ無制限の金融緩和を決定した傍らこっそり株式投資・投資信託の購入に興じており、インフレが発生してもそれを一時的なものとして自身の資産を引き上げるまで、金融引き締めを行いませんでした。
そのため、職務に対する真摯さに欠ける彼らは、議会や世論がインフレ抑制から景気を救うことを望めば、手のひらをひっくり返して金融緩和に走るはずです。
その時は刻一刻と近づいています。
そのため投資家は、金(ゴールド)・銀(シルバー)の購入タイミングを図る絶好期に差し掛かっているといえるでしょう。
しかし唯一の懸念は経済がクラッシュすれば期待インフレがコロナショック時のように急低下し、実質金利が計算上、急上昇し金(ゴールド)・銀(シルバー)が急落してしまう点には注意が必要だと思います。
そのため、名目金利・期待インフレをチェックしながら絶好のタイミングを図り最良のポジションを取ってほしいと思います。
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