ときどきブログでニコラス・ダーバスのことに触れたりすることがあるので、誰それ?という方にわかりやすく説明する記事もあっていいのかな・・・と考えています。
ニコラス・ダーバスはハンガリーからアメリカに渡った移民で、義理の妹とダンサーとして戦中戦後の過酷な時代を生き抜きます。
彼が株式投資にハマったのは「ギャラを株で払ってもいいか?」という依頼主からの申し出で、保有していたことはすっかり忘れていたようです。
ところが株価をチェックしてみると大化けしており、ここからニコラス・ダーバスは株式投資に熱心に取り組み、たくさんの失敗を経ながらその失敗を糧に一つ一つ進化していって「株で200万ドル儲けた」でおなじみの「ボックス理論」を生み出します。
彼が本当に成功したかどうかは定かではないのですが、失敗を糧に堅実な投資方法を生み出していく姿は全ての投資家がお手本にすべき態度だと思います。
興味のある方はどうぞ。
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ニコラス・ダーバスはどんな失敗をしていったのか?
ニコラス・ダーバスは、普通の人と同じように「どんな銘柄がよいのか」ということを聞いてそれに投資しますがもちろん失敗します。
ここらあたりは自分ではなく他の人が失敗しているエピソードとして書いていますね。
彼はここから業績がどんなに良い銘柄であっても、タイミングが問題で、買う時期が悪ければ株価は下落してしまうことがあるというシンプルなことを体得します。
さらに株は安く買って高く売るということは「たわごと」であって、もっと下がることもあり、本当に買うタイミングはレンジをブレイクアウトしたときだというシンプルな答えを見つけ出します。
またそれでも絶対上昇するわけではなく、思惑が外れて下落したとき損切りを適切に行う・・・そのために逆指値を設定して感情で動かないようにする方法も学びます。
これらを総合したトレード手法がボックス理論だったわけです。
ボックス理論とは?
ボックス理論の前に、S&P500のチャートで毎日のように説明している、高値更新の「買い」サインなどは、このボックス理論に似た考え方です。
「株はボックスを形成しながら動いているが、それを上方向にブレイクすると、更にその上にボックスを形成する。」
ということを発見します。
さらに発展して、「ブレイクして買っても必ず上昇するわけではなく、そのボックスをまた下抜いた場合は適切に損切りを行うため、ボックスの下限より少し下に逆指値を設定しておく」というシステムトレードのようなことも考えつきます。
つまりボックスが切り上がるたびに逆指値を上方向に移動していって、とうとうボックスの切り上がりが終わって落下したところで自動的に利益確定されるわけです。
さらに彼のエントリー方法はそれから洗練されて、「ブレイクアウトしたあともすんなり上昇するわけではなくて、一旦は下落しボックスの下限に到達し、その後その下限(前回ブレイクアウトした起点)から勢いをつけて反発する」と考えます。
そのため彼の買いのポイントは一旦はブレイクアウトした線に指値をしておくという方法に更に進化します。
後世これはリターンムーヴといって、ブレイクアウトした水平線はレジスタンスから、絶好の買い場であるサポートポイントに変わるという普遍の原理を考えつくわけです。
実例2021年7月のS&P500
実例として、2021年7月のS&P500などは一旦は6月末にブレイクアウトしたポイントに7月20日に反落して戻ってきました。
ここが実際に買いポイントになっていたわけです。
ボックス理論は読めば理解できそうなほどシンプルですけど、実際に下落した時に「買えたのか?」と指摘されればほとんどの投資家は、祈っていただけだと思います。
反対にいうと、高値更新した銘柄はさらに上昇するという、ブレイクアウトの部分なら、高値更新を終値で達成しそうな銘柄を引け値で買えば翌日の寄りでは窓を開けて上昇してくる(値が飛ぶ)ので、取り組みやすいと思います。
ニコラス・ダーバスは失敗しながらこの理論を完成させた
投資家がお手本にするのは全くこの理論が成り立った経緯で、彼は失敗の原因を一つ一つ除去しながら、自身の理論を固めて行きます。
大事なことは失敗した原因を繰り返さないことで、思いつきで買ってしまって失敗した例を挙げて後悔しています。
つまり彼のすごいところは、そういった失敗を後悔し、反省してその一つ一つを除去して、投資方法を確立していったそのプロセスにあると思います。
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ボックス理論からちょっと工夫したのがモメンタム投資
当然、その理論を読んだ当方も真似ていくのですが、当方の場合はさらにトレンドを判別する指標として62EMA(指数平滑移動平均線)を設置したほうが、トレンドもわかりやすく、どうやらそこが押し目の買いのポイントにもなりやすいということを発見していきます。
最初は画像のようにトレンドラインを引いていましたが、段々とそうではなく62EMAのポイントで市場参加者は知らず知らずのうちに、そのポイントで押し目買いをしたり、売り方が利益確定ポイントとして買い戻しをしていることに気づきます。
「そんなバカな」、「なんで62EMA」なんだといわれそうですが、一目山人の遅行スパン・先行スパンなどの数値も膨大なデータで集計されて相場の癖を発見した時、説明はつかないが26と52が相性がよいということと一緒だと思います。
理論的な裏付けはないですが、「市場参加者は62EMAを自然に意識しており、その62EMAが上向きで推移していれば上昇トレンドで上昇トレンドが崩れない限りはその62EMAが押し目買いのポイントになる」と解釈しています。
実際に不思議なくらい急落した相場は62EMAで下支えされていますので、理論というよりもアノマリー(経験則)でみんな知らないうちに影響されているわけです。
ですのでこれをトレンドの勢いを利用した投資方法として、「モメンタム投資」と適当に名付けて勝手に使っています。
人によってはこれが50日移動平均線であったり、GMMAの60EMAであったり色々だと思います。
でも大事なのは、それで失敗していった残骸を拾って検証して、62EMAにたどり着いて、その失敗例を生かして確信に変えることだと思います。
当方はこの移動平均線の配置を変えたことがないです。
それは確定したら、色々試していたら洗練されないからでもあります。
そしてそれは百戦百勝はないので、確実に62EMAで反発してから追っかけるという発想にもつながっています。
【まとめ】ニコラス・ダーバス「株で200万ドル儲けた」は投資家がお手本とすべき
シンプルすぎて手を加えたのはたった1本の指数平滑移動平均線だけなのですが、大事なのは失敗を糧にして探求していく姿勢にあると思います。
ニコラス・ダーバス「株で200万ドル儲けた」は、そういった意味で名著だと思います。
ちなみに途中で載せているチャート画像はMT4で楽天証券CFDのチャートを使っています。
楽天証券CFDは口座維持管理料は無料・取引手数料も無料ですので、S&P500のチャートを表示して色々いじれますが多機能なので、逆に失敗します。
最初は62EMAとボックスだけで十分です。
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