こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。
2024年12月1日にオンラインで開催される予定だったOPEC+会合は、12月5日に延期となりました。
これはサウジアラビアが、原油価格を押し上げる決定を行いたいため、難色を示す加盟国(主にUAEだと推定される)を説得する時間を設けたためだと考えられます。
具体的には、12月末から協調減産から実質増産へ舵を切る予定だったカレンダーを2025年第1四半期まで延長することを狙っていると推測されます。
したがって実際の決定がこれより少ない場合、原油は一旦売られると考えられます。
しかし現在の原油価格はシェールオイルの採掘コスト$65ドルから$3程度上乗せした価格推移であるため下値余地も限定的なものでは無いでしょうか?
そのためOPEC+会合でさらなる減産延長が達成できない場合、一時下落しますが売り切ってしまって、売り手がなくなってしまえば2024年6月のように逆に大きな反発が発生する伏線になると思います。
OPEC+加盟国というよりサウジアラビアからすれば、低迷する原油価格に対してポジティブサプライズを投じたいという目論見は当然あると思います。
ですので会合の結果を推測して一か八かのポジションを持つのはやはり危険で、会合の結果を市場が消化するのを待つべきでしょう。
この記事では、このように原油取引の見通しについて分析していますが、原油価格のトレードは、日本ではGMOクリック証券、DMM CFD 、外為どっとコムCFDネクストなどが低コストで使いやすい証券会社です。
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実質増産だった前回6月2日のOPEC+会合の決定
原油価格を左右する勢力として最大の価格カルテルがOPECであることは周知の事実ですが、これにロシア・メキシコなど従来はOPECに属さなかった産油国を加えてたOPEC+が新たな枠組みを2016年に結成して、原油価格の低迷時には協調して減産をすることで影響力の維持を図っています。
このOPEC+閣僚級会合は、半年に1回のペースで開催され、前回は6月2日13時(ウィーン時間/日本時間20時)にからスタートし非常に早い合意にいたっています。
主な内容は以下のとおりです。
- 自主的な減産を実施した8カ国は、前回合意した日量220万バレルの減産を2024年9月末まで延長する
- 2025年1月1日から2025年12月31日まで、OPECおよび非OPEC参加国の全体的な原油生産レベルを順次拡大する
- 2024年12月1日に第38回OPEC・非OPEC閣僚会合を開催する
減産は延長したもののその後2024年10月から減産を縮小していくという実質増産の決定でした。
この決定のうち、2024年9月末までとした減産内容は、非OPEC産油国の増産による供給増加と、景気低迷による需要の伸び悩みというネガティブ要因により、次々と延長を余儀なくされ結局2024年12月まで続いているのが現状です。
次に実際にこの決定の後どうだったのかチャートを確認してみましょう。
6月2日OPEC+会合以降の原油価格の動き
6月2日のOPEC+会合の後、NYタイムを迎えるまで膠着状態が続きましたが最終的には▼4%の下落で市場は応えています。
さらに翌日は▼1.51%続落したため、都合▼5%~6%程度の下落となっています。
しかしこの動きのあと、もはや売り手がいなくなったためか約1ヶ月にわたって$12も買い戻されています。
これは自身も予想外の値動きでしたが、予想外だからこそ次々に売り方の損切りを誘発して16%もの反発になったのだともいえます。
したがって、ファンダメンタル的に下方向への圧力が大きくても、損失に耐えて反転上昇を待っていたロングポジションがすべて投げ売りされれば、それ以上の下落はなくなるなります。
その場合、これ以上の利益が望めなくなったショートポジションが相次いで利益確定(買い戻され)され、予想外の反発になることも十分にありえます。
現実はOPEC諸国は財源確保のため増産したい
この協調減産は、サウジアラビアが身銭を切って主導し原油価格の低下に歯止めをかけてきましたが、OPECが増産しなければガイアナ・カナダ・ブラジルなどの産油国が増産し、結局シェアをジリジリと落としていっています。
OPEC’s Crude Oil Production as % of World’s Total Oil Supply#oott pic.twitter.com/L5XllGJVpK
— Gurgen Ayvazyan (@Gugo907) November 29, 2024
一方でOPEC+の伝統的な加盟国は、原油以外に外貨を稼ぐ手段が乏しく、財源確保のために増産したくてしょうがないという状況であることは明らかです。
前回の決定ではこういった要望を抑えきれずアメリカのソフトランディング予測に乗って10月からの増産を決定したものでしたが、相次ぐ延期で彼らが望んでいる増産が実現から遠のいている状態です。
この加盟各国からの突き上げにサウジアラビアは、今回も説き伏せて2025年第一四半期まで減産を延長できるか、非常に難しくなっていると思います。
OPEC+を含む産油国にとってハイリスクな選択は、交渉が決裂してサウジアラビアが協調減産を辞めて原油価格が急落することです。
この狙いは、コストの高い非OPEC加盟国の産油を採算割れに追い込むことで、ライバル産油国を脱落させる方法で、過去2回行われています。
シェア低下に歯止めがかからない現状を打破するため、逆サプライズとしてこの「逆ギレ増産」を選択する可能性もゼロではないと思います。
こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。原油価格を左右する勢力として最大の価格カルテルがOPECであることは周知の事実ですが、これにロシア・メキシコなど従来はOPECに属さなかった産油国を加えてたOPEC+が新たな[…]
先週までのWTIの概況から考えられるポジションメイクのポイント
WTI原油は、イスラエル・ヒズボラの停戦合意で急落した後、12月1日のOPEC+会合を控えて68~69.60の間で方向感なく乱高下しています。
もっともOPEC+会合は、12月5日に延期されています。
そのため会合結果が明らかになるまでこの膠着状態は継続すると考えて良く、12月5日までトレードする側としては非常に難しい状態が続くでしょう。
ですのでトレードを開始するのは、OPEC+会合の結果が伝わって市場の反応を見極めてからになるはずです。
しかしどちらの方向性のバイアスが大きく、市場がどのようなコンセンサスで動いているかはCMEのOPEC Watch ツールを確認することでも把握することが可能です。
Check #OPEC Watch to see how have traders’ expectations have changed ahead of the Dec. 1 meeting. To manage potential outcomes, Friday (LO5) and Monday (ML1) WTI Weekly options can be used to hedge price movements over the weekend. #OOTT pic.twitter.com/zy8fbdam2h
— CME Group (@CMEGroup) November 26, 2024
直前では、どうやら現状維持(1月から増産)がやや優勢も、減産延長の確率もそれなりにあったようです。
しかし、会合延長が伝わってから現状維持(1月から増産)がメインのコンセンサスとして確率が高くなり、30%以上もあった減産延長は16%にまで低下しています。
したがって仮に現状維持(1月から増産)の決定が下されても下落する幅は限定的ではないかと推定しており、逆に減産延長となると一時的でも原油価格を押し上げる原動力にはなりそうです。
取引最中にOPEC+会合が行われた2023年11月30日の結果
市場で取引が行われている最中でOPEC+会合が行われた事例は、直近では2023年11月30日です。
その際は追加減産を表明したものの、その効果に対して市場は懐疑的であったために$79.56から$68.77まで、10ドル以上も価格が急落しています。
もっとも、この価格の下落によって皮肉にも売り手がいなくなったことで、徐々に市場は原油を買い戻しはじめ半年近く原油価格が上昇する契機になっています。
こういった会合結果を受けて売り切られた後に買い戻されるというケースは、前述の2024年6月2日のOPEC+会合でも発生しています。
今回も2025年第1四半期まで減産するというサウジアラビアの目論見が崩れた場合、下方向に下落することが想定できますが、すでにシェールオイルの採算コストと推定される$65近くまで原油価格は押し下げられてきました。
そのため下落した場合の値幅は、もはやそれほど残されてはおらず、却って売り手がいなくなることでショートカバーが誘発され、一時的に原油価格が押し上げられることもあり得ると思います。
むしろ筆者としてはそれを狙う目論見です。
こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。WTI原油または北海原油は、昨年の9月以来シンメトリカルトライアングルの範囲内で取引が続いています。順当にいくとA・B・C・D波まで達成しているので、最終E波を達成し[…]
ポジティブサプライズがあった場合も結局下げる展開が想定される
逆に減産が2025年第1四半期まで続くというポジティブサプライズがあった場合でも、画像のように2023年4月3日にOPEC+の協調減産決定によって一時的な押し上げ効果はあっても、すぐに流動性ギャップを埋めて逆方向に下落し始める場合もあります。
これはショートポジションが急速に解消されることで、将来の買い手(買い戻し)がいなくなることが原因でFVG等の流動性ギャップが生じてしまうことでこれを埋める動きを誘発させる原因になります。
OPEC+のジレンマは、まさにこれで協調減産や中東紛争リスクなどで急速に市場価格を押し上げても、需給バランスが供給過多に傾いているため原油価格が押し上がらないことです。
その理由は、他の非OPEC諸国からの産油の増加、そして来年では米財務長官に指名されたベッセント氏がインフレ対策としている原油増産による供給過多です。
これを何かしら解決して原油価格を一時的でも押し上げる方法は、イランへの経済制裁によって供給が損なわれる事態になることですが、これをアメリカは自国の原油増産で埋め合わせようとするでしょうし、少なくとも減産しているOPEC+諸国でも埋め合わせることは可能です。
したがってOPEC+が市場にポジティブサプライズを投じても、それは一時的で継続的に原油価格を押し上げる力はないと考えています。
原油価格の継続的な上昇に必要なのは、刺激的なヘッドラインではなく需要の回復ですので、急上昇したからといって飛びつくのは危険で、FVG等の流動性ギャップを埋めて足元が固まったのを確認してから買い始める戦略となると思います。
こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。前回の投稿で$68.40あたりからの原油価格の反発を想定した戦略策定をしましたが、実際にはもう少し深くて$66.59まで下落してから"ブリッシュリバーサル"が出現してようやく[…]
【結論】OPEC+減産延長か増産開始か
今回のOPEC+会合は、いずれの結果になるとしてもシェールオイルの採算コスト$65に接近している現状では、下落するにしてもその値幅余地は限られたものだと推定しています。
むしろ売り切られる結果になる方が、損失を抱えたロングポジションが一掃され、却ってショートカバーで上昇しやすくなると考えています。
したがって現状考えているパスコースは2通りです。
- 現状維持を受けて$65付近まで売り切られてから買い戻されるケース
- ポジティブサプライズの場合は急速上昇が続かず流動性ギャップを埋めるために下落してからから上昇しだすケース
この内、市場がコンセンサスとして織り込んでいる現状維持(1月から増産)で考えれば、画像のようなパスコースになる可能性が高そうです。
この記事では、このように原油取引の見通しについて分析していますが、原油価格のトレードは、日本ではGMOクリック証券、DMM CFD 、外為どっとコムCFDネクストなどが低コストで使いやすい証券会社です。
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