所得控除による節税①扶養控除

納税するのは義務ですが、同時にそれぞれの境遇に合わせて税の負担を軽減する制度も用意されています。
大別すると以下の3つです。

1)扶養控除
2)医療費控除

3)雑損控除

このうちの1)扶養控除について記述していきます。

1)扶養控除について

扶養控除の利点としては、
特に両親・祖父母の年齢が70歳以上の場合、控除される金額は大きくなり、所得税と住民税を安くできる可能性があります。

条件は
・生計を一つにしていること(同居でなくでも可能)
これは同居でなくでも可能で、別居でも生活費等の仕送りをしていればOKです。
・被扶養者(両親・祖父母)の年間所得金額が38万円以下であること
これは年金収入のみの方が対象となる場合は65歳を境にして区別されます。
①65歳未満の親・・・年金収入が108万円以下(非課税枠70万円)
②65歳以上の親・・・年金収入が158万円以下(非課税枠120万円)
上記のように65歳を境にして非課税枠が変わるため65歳以上になると
扶養に入りやすくなります。

そして扶養に加える事ができると、控除の金額が優遇されるのですが、これが70歳を超えると控除の額が38万円から48万円になり同居している場合は58万円となります。

それ以降は本人の所得額に応じた税率や住民税で変わってきます。
年間所得が左→右が節税効果の一例です。
・500万円以下→70歳未満52千円、70歳以上別居62千円、70歳以上同居74千円
・500~700万円→70歳未満71千円、70歳以上別居86千円、70歳以上同居103千円
・700~1160万円→70歳未満109千円、70歳以上別居134千円、70歳以上同居161千円


このように節税することができます。

考えてみれば本来の姿に戻るだけ

扶養している事情は人それぞれですが、結婚等によって生じる親族構成の変化によって考慮していると言えなくもない制度です。

現在は物価の伸びに対して賃金が伸びていません。それどころか社会保険・年金の負担が現役世代は徐々に増すため、実質の手取りは下がる一方です。

現実の問題として超高齢化社会では現役世代は、このような方法でも良いので両親の世代とも助け合わなくては、恐らくやっていけないでしょう。

それでなくても幼い子どもがいる身としては、両親が近くにいるというのは非常にありがたいのです。

現在の日本では、核家族であったものが夫婦だけになりやがて、どちらかがなくなり単独世帯になるケースや、「未婚化」・「晩婚化」の拡大による単独世帯の増加ですでに3割が単独世帯となってしまっています。

逆に減少の一途をたどっているのが、上記の3世帯家族を想定した世帯でこれはすでに1割となっています。

最も多かった「夫婦と子供」という核家族の世帯はかつては4割だったが、このままだと2030年には2割という状態になるらしく、そこまでいけば様々な現在の制度はもう維持不可能になってしまうでしょう。

そのため、節税のためであろうとなかろうと家族同士で扶助する形態が優遇されるのは別段不自然なことではありません。それが本来の形だったのです。

国家が打っている人口減少に対する政策は、的はずれなものが多くそれ故に人口減少を食い止めることができず、かえってこれまでは加速してきたのだと推測されますが、人口が減りすぎて自治体が維持できない事態となれば打ってくる手段は危機感の漂う本格的なものになってくるでしょう。

その場合、単独世帯の構成ができるだけ出現しにくくするための施策になるのは必然ですので、こういった扶養控除の仕組みは強化されることはあってもその逆はないと言えます。