税金の名のつかない負担(携帯電話)

世界で最も高い日本の携帯料金

携帯電話の調査は「MDD研究所」や「総務省」で定期的に行われています。
特に携帯電話の料金・シェアなどは2019年3月に出揃っており、次は2019年9月あたりに情報が更新されると思われます。

日本の携帯電話の料金が割高なのは、感覚的なものではなく事実です。
これを節減することは需要なことなのですが、世界的にはどうなのか調査結果が出ていますので事実確認をしてみましょう。

2018年9月の総務省の調査により明らかになっています。
※2018年9月19日 プランは5GBで調査で金額は平均値

どうやら世界的には2015~2017年で連続して料金は低下し続けていたようで、日本では携帯電話料金の低下が停止していました。

なぜ他の国や地域の携帯電話料金が低下したのかですが、それは携帯電話プランの提供がほとんど日本でいう「格安スマホ」「MVNO」によって行われており、日本のように電波を専有する3大キャリアの提供によるものではないということです。
ドイツではMVNO勢によって携帯料金は低下し、いわゆるキャリアも価格を下げざるを得なくなっているようです。
料金で見ると、フランスは格安スマホを使っている方たちなら、実際に払っている価格に近いものだと思います。フランスでは2017~2018の間に新規参入があり、さらなる価格引き下げが生じたようです。

経費節減の威力

私も格安スマホのみ(プランは通話付3GB)使っており(家族も全員です)、1人あたりはどう高く見積もってもフランスの料金に近いものです。
格安スマホにすれば、<日本の平均値7,562円-フランスの平均値1,783円=5,779円/1回線あたり月額>が節減できます。
これがどれくらい巨額なものなのかというと、S&P500(アメリカの株価指数)のインデックスファンドにこの月々かかっている料金を投資に回して10年運用すると過去の30年々率リターンで計算すると、114万円にも膨れ上がります。

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CFDを活用した長期インデックス投資

この膨大なお金を自分のものにできるのですから、すぐにでも変更を行いそうなものなのですが、実際のシェアの動きは遅々としたものです。

以下、携帯電話のシェアの推移です。

↑MVNO 2019年12月調査シェア1位「楽天モバイル」シェア25.1%、通話SIM契約で楽天市場のお買物のポイント付与が+2倍になります。

棒グラフを見てわかるように、MVNOは順調にシェアを拡大しつつあるもののドイツやフランスのように劇的に基本料金を引き下げるようなインパクトのあるMVNOのシェアの伸び方ではありません。

利用調査でも、格安スマホについて考えに近いものを統計に取ると
・全く知らない・・・9.7%
・名称は聞いたことがあるが、サービス名称や内容はよく知らない・・・30.1%
・いくつかのサービス名称はわかるが、内容は知らない・・・11.1%
・内容はわかるが、利用したことがない・・・23.5%
以上の認識です。
要するによくわからないという方が50.9%占めており、キャリアの制度的な問題も指摘されるものの、無駄な経費を節減しようとする意識が極めて低いことも問題のようです。

公共の事業を営利化すると暴利を貪る

ただ公共の電波を使用するという利権を手にしながら、公共のサービス提供というよりもそれを利用した利益の極大化を図ったプラン設定も問題があると思います。

一つ目は、公共の電波を利用する立場でありながら、長期間契約を拘束する「縛り」という一方的な契約内容にしていることです。
例えば2年契約以外になると、法外な料金設定となり契約者は選択の余地がありません。
二つ目は、携帯電話のキャリア各社がプランを出す時同時であり価格も似通っている。要するに価格カルテルであり違法の疑いがあります。
端的には独占禁止法です。

海外の水道の民営化が失敗した実例をご存知でしょうか。
なんでも民営化すれば効率化するわけではなく、独占しているのならば営利企業であれば暴利を貪ります。

マニラでは民営化すると水道料金が5倍に跳ね上がり、ボリビアでも年収の1/5まで水道料金が引き上げられ暴動が起きました。
近年ではこのようなインフラは民営化ではなく再公営化が主流となっています。

携帯電話の料金も一緒で勝手に電波を出していると収集がつかないので、電波を使用できる会社を限定して運用しています。
携帯電話を運用するためには膨大な設備投資が必要なので、その設備投資のためにも利益は必要だというのは理解できます。それは前述の水道も同様です。

しかし通信もインフラであるため、このアンテナ網を整備することは公共・公営事業で行い、現在のMVNOのように通信そのものを販売する料金で勝負するものと分離するなら、かなり状況は異なるのではないでしょうか。
元々誰でも参入できない事業を営利目的の会社に運営させたため現在の状況に陥っているのだと思います。
公共のインフラは、暴利を貪られるのは最初からわかっているので、本来は公営で、新規参入が容易な事業は(携帯通信料金の場合はSIM)競争原理が働くため、民間で運営したほうが良いのではないでしょうか。
ここらへんはNHKの件で、日本人は実感としてよく分かると思います。

もっと深刻なのは、これまでドコモもauも総務省の天下りを受け入れており、最近では総務省の携帯料金の値下げを議論する審議委員会に携帯電話大手2社(ドコモ・KDDI)が寄付をしているなど、ズブズブなことです。
つまり利権であり、これは形を変えた税金みたいなものだと言えます。そこにはユーザービリティや産業の発展などの理念はありません。

少なくとも私達が、このような横暴をさせないためには、格安スマホに替えることから第一歩が始まります。
さもなければ総務省のお役人達や3大キャリアの養分になるだけです。