2018年あたりからキャッシュレス決済の普及のために多くのサービスが大規模な還元施策を行っていました。
それとほぼ時を同じくしてポイントで投資するというサービスが勃興してきています。
穴場的に勝ちやすかったのが、マーケットを先読みして高確率で勝てる投資ができた「dポイント投資」でした。
これまではできたのですが、2020年10月23日でもって少し先読みできる仕様は塞がれ、普通の予測不可能な凡百のポイント投資になります。
結論から言えば、高コストの投資信託に投資するだけの仕様になるのでこのまま「dポイント投資」を行う意味はありません。
ポイント投資は2通りあって、ポイントを投資信託などの有価証券の購入に充てられるタイプ①とポイントをポイントのまま運用するタイプ②に分けられます。
「dポイント投資」はポイントのまま運用するタイプ②に分類されます。
ポイントのまま運用するメリットは、年間50万円の利益までは課税の対象にならずそのまま複利運用することができる点です。
ということは課税対象にならない範囲でポイント運用を行うことは十分有用だと思います。
ポイント運用は大抵は運用元がバランスファンドですので通常の運用では「dポイント投資」のように裏技がない限りはせいぜい年率6%の利益にとどまると思います。
年率6%のリターンで50万円の利益をあげるには元手が833万ポイントも無ければならないため実際のところは殆どの方は対象にはならないはずです。
ですので課税の可能性が非常に低いポイント投資は税制面で利益がありますので、メリットがあるポイント投資サービスではどんなサービスがあるのか検討してみます。
主なポイント投資サービス
キャッシュレス決済のサービスの副産物としてポイントが大規模に付与されるようになり、その利用方法も目を配る必要がでてきました。
そんな中でポイント投資が進化していっています。
2020年10月現在のポイント投資の主なサービスは以下のとおりです。
- dポイント投資(THEOとドコモの運用 )
- auポイント運用
- 永久不滅ポイント運用
- 楽天ポイント運用
dポイント投資
2020年10月23日でもってある程度結果が先読みできる状態での投資が不可能になったサービスです。
■利用できるポイント:通常ポイント(期間限定・用途限定ポイント不可)
■投資単位:100pt
■最大追加ポイント:200,000pt
■投資コース
・おまかせ運用・・・「アクティブ」・「バランス」
・テーマ運用・・・8コース(ETFのほうが保持コストが安いので意味はない)

ご存知のように2020年10月23日までは少し先を読んだ投資方法が可能だったために、ポイントを複利で増やせるサービスでした。
しかしこれもなくなります。
ついでにポイントをそのまま運用していても良いですが、他の運用に比べて保有コストが大きいことが欠点です。
「おまかせ運用」では年間保有コストである信託報酬が見えないコストとして課金されており運用元のTHEOグロース・AIファンド(世界の株式中心)・THEOインカム・AIファンド(世界の債券中心)の2つのファンドの運用のための手数料として信託報酬として年率換算0.595%ほど徴収されています。
この水準は現行の投資信託の中では割高な部類に入るため、そのまま運用し続ける意味は薄いでしょう。
改悪してローリスク・ハイリターンな投資方法では無くなったdポイント投資の代替方法を解説していきます。 「dポイント投資」はdポイントを利用した擬似的な投資が可能なサービスで、2020年10月23日まではある程度先読みしたポイント追加・引き[…]
au PAYポイント運用
「au PAY」などの利用でたまるPontaを利用できるサービスです。
■利用できるポイント:通常ポイント(au PAYマーケットで利用できる限定ポイント不可)
■投資単位:100pt
■最大追加ポイント:なし
■投資コース:なし
au PAYポイント運用は、13:00にポイントを投入して2営業日後の運用元の投資信託の基準価格が反映されます。
従って時間差を利用した投資方法は最初から無理です。
また株式の運用面はアクティブ運用のファンドに対してファンドオブファンドで間接的に投資を行っているため信託報酬も含めた総経費率は年率1.33%とさらに高額です。
アクティブ運用では将来に渡って高い利益を出し続ける保障はなく、できるならローコストなインデックス運用のほうが良いでしょう。
永久不滅ポイント運用
クレディセゾンのクレジットカードで貯めたポイントをdポイント投資と同じく擬似的に運用できるサービスです。
じつはかつての「dポイント投資」と同じく14:00までにポイントを投資・引き出しの判断をすると当日の18:00には反映される仕組みです。
ということは「dポイント投資」とかつてのサイクルが一緒ですので同じく少しだけ先を読んだ投資ができます。
ではこれに乗り換えれば良いのではと思ってしまいますが、2020年11月5日でこの運用サイクルは他のポイント投資と同じ運用に改悪となりました。
■利用できるポイント:永久不滅ポイント
■投資単位:100pt(500円相当)
■最大追加ポイント:なし
■投資コース
・アクティブ
・バランスコース
・TOPIXコース
・VOOコース
・資産運用の達人
・グローバルバランス
このポイント投資の原資である永久不滅ポイントがたまるカードはあまり高還元率なカードがないのが最大の問題点になります。
ただし「JQカードセゾン」を保有しているとJRキューポが利用できます。
このJRキューポは、ポイントのハブとして機能する利便性が特徴で、Tポイント・Gポイント・Pontaポイントに等価交換が可能ですので大変便利です。
特にTポイント、Gポイントのルートからかき集めたポイントをJRキューポ→永久不滅ポイントに交換することで大量のポイントを一本化させることが可能です。
しかしこれも改悪になって予め結果が読めている状態で投資することが不可能になっています。
集めたポイントでそのまま運用し続けることも可能ですが、アクティブコースの運用元であるMSV内外ETF資産分配ファンド(Hコース)の信託報酬は1.007%もあるためやはり長期的な運用には向かないと判断しています。
楽天ポイント運用
おそらくポイントのままの運用の場合、「楽天ポイント運用」に分があります。

「楽天ポイント運用」とは楽天ポイント投資とは異なる運用方法です。
楽天ポイント投資は楽天スーパーポイント(通常ポイント)を株式・投資信託の購入に充当できるもので、利益は上場株式等の譲渡所得(分離課税)です。
一方で「楽天ポイント運用」はポイントのまま運用する「dポイント投資」に似た内容で、「dポイント投資」と同じくアクティブコースとバランスコースの2つのコースがありますが、概要は以下のようになります。
■利用できるポイント:楽天スーパーポイント(通常ポイント)
■投資単位:100pt
■最大追加ポイント:500,000pt/月(ダイヤモンド会員)
■投資コース
・アクティブ
・バランスコース
楽天ポイント運用の最大のメリットは楽天カードなどポイントをためやすい楽天のサービスを活用できるところです。
期間限定ポイントはポイント運用には活用できませんが、期間限定ポイントは「楽天ペイ」の決済に利用することができるので1%の還元率で利用できます。
投資のリードタイムは当日の14:00までの申請で翌々日22:00にポイントが更新していきます。改悪後の「dポイント投資」よりも4時間おそい反映です。
運用元の投資信託は楽天・インデックス・バランスファンドというインデックスファンドで信託報酬はアクティブは0.233%、バランスコースは0.261%ですので低コストの運用が可能です。
楽天ポイントでバランスファンドに擬似投資するサービス「楽天ポイント運用」。攻略のコツとポイントの有効な使い方をまとめまし…
従ってポイント運用というサービスの中ではコスト面で優れているといえます。
「dポイント投資」の運用元である投資信託と楽天ポイント運用の運用元である投資信託との比較は以下のとおりです。
ファンド名 | リターン1年 | 信託報酬 |
---|---|---|
THEOグロース・AIファンド (世界の株式中心) | 6.36% | 0.495% |
THEOインカム・AIファンド (世界の債券中心) | 4.01% | 0.495% |
楽天インデックスバランスファンド (株式重視型) | 7.20% | 0.233% |
楽天インデックスバランスファンド (債券重視型) | 4.99% | 0.261% |
直近ではありますが、いずれも楽天ポイント運用の運用元である投資信託のほうが好パフォーマンスです。
楽天ポイント運用の運用元である投資信託は楽天・インデックス・バランスファンドというインデックスバランスファンドです。
このファンドはこれまでの投資信託の欠点を補っているバランスファンドですので、その点を説明します。
楽天・インデックス・バランスファンド
楽天・インデックス・バランスファンドは、株式と債券を組合せたバランスファンドで2018年7月に設定された比較的新しいファンドです。
株式部分は、楽天・全世界株式インデックスファンドと同じ投資先である「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」に投資し、債券部分は「バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド」投資しています。
つまり、株式の部分は世界中の株式に投資し、債券の部分は投資適格の国債に投資を行っています。
株式重視型は株式部分が70%・債券部分が30%となりハイリスク・ハイリターン、債券重視型は株式部分が30%・債券部分が70%となりローリスク・ローリターンとなる設計です。
バランスファンドの中では、株式の部分が全世界株式への投資ですので国内株式の比率が非常に少ないインデックスファンドになります。
このファンドの強みは債券は期待できる利回りに対し為替リスクのほうが高いためにリターンが計算できない投資対象でしたが、この問題を債券部分に為替ヘッジを効かせることで解決している点です。
ポイント投資の原資は楽天の各サービスから得られます。
楽天ポイント運用が取り組みやすい点は、日本で1・2位を争うECサイト楽天市場や日本で最も会員数を保有している楽天カードなどの利用でポイントが獲得しやすい環境下であると思います。
楽天カードは基本還元率1%のクレジットカードとして広く知られていますが、ある条件を満たすと楽天市場以外の利用が2%の還元率になります。 それが毎月行われている常設企画「街での利用分がポイント2倍キャンペーン」です。 今回は楽天カ[…]
その他にも楽天ペイなどのスマホ決済、楽天保険・楽天モバイル・楽天ひかり・楽天トラベルなどの関連サービスを利用することで楽天SPUにより楽天市場の利用時にポイントがアップしていきます。
楽天市場では、四半期に一回の『楽天スーパーセール』、毎月定期的に実施される『楽天お買い物マラソン』があります。 5月では、2023年5月9日(火)20:00~5月16日(火)01:59に『お買い物マラソン』が開催されています。 [afT[…]
楽天ポイント運用:まとめ
「dポイント投資」が改悪しコストが高いだけのポイント投資になったことは残念ですが、先読みできるというスペック自体が異例でしたので今後のポイント投資は、先読みのできない通常の投資と何ら変わりがない状態になります。
改悪してローリスク・ハイリターンな投資方法では無くなったdポイント投資の代替方法を解説していきます。 「dポイント投資」はdポイントを利用した擬似的な投資が可能なサービスで、2020年10月23日まではある程度先読みしたポイント追加・引き[…]
年間50万円までの利益は課税されないという税制上優位なポイント運用は、取り組んでおくべき投資だと思いますので、今後の楽天ポイントに関しては、楽天カードの毎月の利用分の充当分が残れば是非投入し続けて行きたいと思います。
そのため今後の楽天ポイント投資は解除し、楽天ポイント運用に取り組みます。
楽天ポイント投資に関しては、楽天カードの決済で1%の還元率を得ながら投資を行うというスタイルに変貌させる予定です。
一方で他のポイントに関してはTポイントに集約し、リスクが少なく安定的にリターンをあげられる「トライアングルトラップトレード」をTポイントを利用できるネオモバFXで行い、成果としてあがってきた利益を再投資、もしくはキャッシュフロー分を楽天ポイント投資として活用する方向でポイント投資を続けていきます。