業界コスト最安を更新!Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)登場

全世界株式インデックスファンドは、世界の株式市場をまるごと買って世界経済の成長のメリットを享受できる投資信託です。

これまで長い間、三菱UFJ国債投信の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』が、連動する指数への乖離が少なく、コスト(信託報酬)も0.11325%と業界で最安値クラスであったため投信の資産額でも1兆円に迫る4位につけるなどインデックスファンドとしては異例の人気を博してきました。

つい先日、アセットマネジメントOneの『たわらノーロード 全世界株式』が対抗して信託報酬を引き下げたばかりでしたが、それを上回る信託報酬0.05775%で設定された『Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)』が日興アセットマネジメントから販売されます。

販売がスタートされるのはSBI証券のみですが、順次拡大されていくと思います。

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全世界株式インデックスファンドとは?全世界の株式市場をまるごと買える投資信託

2023年4月26日から業界最低コストを更新した全世界株式インデックスファンド『Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)』が販売されます。

全世界株式に1本で投資できるインデックスファンドは昔からあったわけではなく、2010年7月20日に設定された「eMAXIS全世界株式インデックス・ファンド」が全世界に1本で投資できるインデックスファンドとしては最初でした。

しかしコスト面では年間のコストである信託報酬が0.675%と割高だったのですが、次々と競争がすすみついに信託報酬が0.1%を割る低コストのインデックスファンドが登場する運びとなりました。

このコストは上場投信のVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)の信託報酬0.07%をも凌駕するコストとなります。

全世界株式のベンチマークは?FTSE・MSCI

全世界株式には、連動を目指しているベンチマークは以下の2つがあります。

  1. FTSE・グローバルオールキャップインデックス
  2. MSCI・オールカントリーワールドインデックス

『Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)』は、名称の通りMSCI・オールカントリーワールドインデックスに連動を目指しているインデックスファンドです。

このMSCI・オールカントリーワールドインデックスは、以下のような投資配分で投資対象国の時価総額85%をカバーしています。

eMAXIS Slim 全世界株式国別構成比引用:eMAXIS Slim 全世界株式 目論見書

85%と疑問に思ったかも知れませんが、この指数は小型株が入っていません。

一方でFTSE・グローバルオールキャップインデックスは小型株も対象としているため、より網羅的に投資したい場合は、投資対象国の時価総額98%をカバーしているFTSE・グローバルオールキャップインデックスへの投資が良いでしょう。

ただし、この2つのベンチマークの差は20年間でもパフォーマンスの違いは0.1%程度でしかないので、どちらでも良いと思います。

インデックス1年年率リターン(%)10年年率リターン(%)20年年率リターン(%)
FTSE全世界株式19.412.19.6
MSCI全世界株式19.212.19.5
S&P50016.315.911.0
NASDAQ10033.620.313.9
TOPIX19.89.06.0

2023年10月末数値

ちなみに「MSCI・オールカントリーワールドインデックス」のパフォーマンスは、30年間年率リターン8.4%(2023年3月末時点)ですので、100万円を投資して複利運用で30年間運用すると1,120万円にまで資産が成長するほどの実績です。

Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)以外の全世界株式インデックスファンド

2023年4月26日から、SBI証券で『Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)』が販売されていくわけですが、これ以外の全世界株式インデックスに連動することを目指した投資信託は以下のものがあります。

信託報酬/実質コストベンチマーク1年リターン
楽天オールカントリー株式インデックスファンド0.0561%MSCI・ACWI
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)0.05775%/-MSCI・ACWI35.21%
③はじめてのNISA0.05775%/-MSCI・ACWI
④SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド0.0638%/0.163%FTSE・ALL-World33.46%
⑤SBI・全世界株式インデックス・ファンド0.1022%FTSE・ALL-World33.25%

2024年3月26日現在

本来、投資信託は次から次へ新しいファンドを売り込むのではなくて、『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』のように長く販売して大きな純資産に育てることでコスト削減を図るのが本来のあり方です。

日本の投資信託はこういった姿勢が欠けていて、純資産を育てて信託報酬率を引き下げれば良いのに、新しい商品を次々に作って純資産が大きくないファンドを量産してしまっています。

結果、実際公表している信託報酬以外のコストがかさんで、実際には割高なコストの投資信託を作ってしまうことになり、それは誰の得にもなりません。

そのため乗り換えは慎重に行って実質コストを計算して検討するほうが良いでしょう。

インデックスファンドは実質コストで評価すべき

投資信託の年間保有コストは、目論見書にある信託報酬だけではなく、運用報告書に記載されている「隠れコスト」を合計し実質コストを求めて評価します。

投資信託の運用報告書には、(a)信託報酬だけでなく(b)売買委託手数料、(c)有価証券取引税、(d)その他費用がかかります。

ですのでこれらの非常をすべて加算した実質コスト(金額)を算出し、より低コストの投資信託を選択すべきです。

eMAXIS Slim 米国株式運用報告書

引用:eMAXIS Slim 米国株式の運用報告書

上記は、eMAXIS Slim 米国株式の運用報告書を引用したものですが、ここから算出したものが実質コストになります。

この実質コストを率に直す場合は以下の公式となります。

実質コスト(率)

=実質コスト(額)÷基準価額×100

=実質コスト(額)÷(信託報酬額÷信託報酬率)×100

=実質コスト(額)×信託報酬率÷信託報酬額×100

ということは、『Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)』に関しては、この実質コストが不明であるため評価は下しにくいと思います。

投資信託による長期投資はインデックスファンドによる投資が適切

投資信託による長期投資による資産設計を意図しているのであれば、『Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)』のような低コストのインデックスファンドが適切です。

インデックスファンドはダウ平均株価・日経平均などの指数に連動するように組成された投資信託ですが、ファンドマネージャーがリサーチして厳選して投資したアクティブファンドに対して劣るどころか、統計によれば8割から9割のアクティブファンドはインデックスファンドにパフォーマンスで劣っています。

なぜファンドマネージャーが銘柄を厳選して投資しているのにインデックスファンドに勝てないのかというと、アクティブファンドは銘柄調査などコストがかなりかかるため、インデックスファンドにはコスト面でパフォーマンスが長期的に劣後するというのが一番の理由です。

インデックスファンドの優位性は「SPIVA」スコアカードで確認できる

この根拠はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが発行している「SPIVA」スコアカードで確認でき、ベンチマーク(インデックス)を下回ったアクティブファンドの比率をデータで提供してくれています。

それによると、S&P500・全世界株式・全世界株式(日本除く)では、インデックスを下回ったファンドの比率は以下のようになっています。

ファンドカテゴリー比較する指数5年(%)10年(%)
米国株式S&P50082.8378.26
グローバル株式S&Pグローバル1200指数86.5592.70
国際株式(日本除く)S&Pグローバル(日本除く)指数88.6894.23

年数をもっと長くすればさらにパフォーマンスが下回るファンドの比率は増えると思います。

ファンドマネージャーが優れた運用をしていても、必ずインデックスを上回ることができるかは全くわからず、調子の悪い時期があればインデックスとの差は開いていきます。

インデックス投資は全世界株式・S&P500(もしくは全米株式)どちらが良い?

インデックス投資で全世界の株式市場の時価増額で50%を占める米国株式へ投資するのか、それとも全世界株式への投資にするのか意見は分かれると思います。

大きな違いとしては、全世界株式は新興国を組み入れており、期待できるリターンが高い一方で世界的に株価指数が不調な時期には、全世界株式のほうが下落率が高くなるリスクがあります。

新興国への投資を、リスクをとってでも重視するのかそうでないかで投資すべきインデックスファンドは決まると思います。

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Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)資産運用するときの注意点

というわけで『Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)』が販売開始となります。

長期運用に適しているインデックスファンドが、しのぎを削っているのはとても良いことだと思います。

ただ長期運用といっても他のサイトに掲載されているような、「S&P500・全世界株式に積立投資すれば基本右肩上がり」という論調には与しません。

現に10年もの間、いくら投資しても「リターンなし」という時期も時々発生しているからです。

代表的な例が1970年代のスタグフレーションの時代です。

1970年代のスタグフレーション時代ではS&P500は悲惨なリターン

スタグフレーションとは、物価高・景気後退が同時に発生する時代です。

実は、この40年間は比較的低インフレで低金利の時代が続いていました。

これをリフレーションと呼びます。

これまでの十年間がまさにリフレーションの時代で、低金利が続いてきたのに物価がなかなか上昇しなかったため株式投資が一番儲かりました。

しかし、1970年代の物価高・景気後退に悩んだ時代では、1973年から8年間S&P500のリターンは13%程度で、1974年には最大で半値にまで暴落しています。

CPI・S&P500

これは実は当たり前のことで、インフレを抑制するため中央銀行にあたるFED(連邦準備制度)が金利を引き上げて需要を抑制するため、キャッシュフローが稼げていない会社は借り入れで資金を回すため利益がこの金利分削られることになります。

またこれまで低金利で借り換えて運営されてきた会社などは急速に経営が厳しくなり最悪倒産に追い込まれます。

この期間は8年間も続き、S&P500の年率リターンは1%程度にとどまっているため、この時期4%~14%ものインフレでは実質マイナス運用ということになります。

この現象が発生した1973年は、それまで緩和的な金融政策が続いた背景としても2022年と酷似しており、その後の対応も当時と一緒でFEDは急ピッチでFFレートを引き上げ続けています。

当然、企業は経営が厳しくなり1株あたり純利益EPSが低下していくため、論理株価1株あたり純利益+株価収益率となり株価は下落することになります。

では、今後『Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)』で投資し続ける意味はないのではないか?と思われそうですが、同時期に圧倒的に上昇した投資対象をポートフォリオに加えて上昇が鈍い時のパフォーマンス低下を補えば良いと思います。

その圧倒的に上昇した投資対象というのがゴールド・シルバーです。

スタグフレーション

同時期には、ゴールドは最大で10倍、シルバーは25倍もの暴騰を演じています。

じゃあ「シルバーにも投資しておこっか」となりそうですが、日本の投信会社と金融庁はバカなのでスタグフレーションでは、貴金属が圧倒的に強いことを知らず相変わらずインフレに弱い投資対象のファンドを売り込み続けており、シルバーに投資する投資信託は組成すらされていません。

せいぜい、ゴールドに投資する投資信託程度ですが、仮に『日興-ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)』へも分散投資した場合は、このファンドは信託報酬率も0.407%と同様のファンドと比べてもそんなに高くもないので十分このスタグフレーション時期の運用に向いています。

日興-ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)

引用:SBI証券日興-ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)

『日興-ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)』は、さすがにインフレを抑えるためにFEDが連続利上げをしていたときには下落しましたが、インフレが鈍化するといち早く上昇に転じており、その上昇率は、『Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)』と同じ指数に連動する『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』のパフォーマンスを凌駕しています。

6ヶ月1年リターン3年リターン
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)6.63%-1.19%23.03%
日興-ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)15.17%-2.55%4.08%

ですので、これからくるスタグフレーション時代では、『Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)』と『日興-ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)』でバランスをとって運用し株式運用が低調な時期のリターンをゴールドへの投資で補えば良いと思います。

【まとめ】Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)

2023年4月26日から、SBI証券で最低コストを更新する全世界株式インデックスファンド、『Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)』が販売されます。

気になる信託報酬は、0.05775%と従来低コストで評判だった、『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』・『たわらノーロード 全世界株式』の半分程度と圧倒的な低コストになります。

順次、各証券会社で販売が始まると思いますが、スタート当初はSBI証券で販売が開始されます。

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