こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。
全世界株式インデックスファンドは、世界の株式市場をまるごと買って世界経済の成長のメリットを享受できる投資信託です。
多分、誰もが知っているのはオルカンこと「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」だと思いますが、当方の場合はこの記事で取り上げる『SBI・全世界株式・インデックスファンド』をiDeCoで積立投資しています。
※金利状況を見てゴールドへの投資が有利とみた場合は、ゴールドファンドにスイッチしたり、国内債券インデックスファンドにスイッチしたりしています。
全世界株式インデックスファンドは、実は「MSCI ACWI」と「FTSE All-World」の2つの指数があって、『SBI・全世界株式・インデックスファンド』は、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動するインデックスファンドの中でも最も実質コストが低いファンドです。
ただ、このファンドは無理に競争相手に対抗するために無理やり組成された経緯があるため、完全にFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス連動していない欠点があります。
ですのでこれから投資しようという方へは、このファンドの問題点とそれを解消している『SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド』への新規投資を勧めます。
『SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド』は、SBI証券・auカブコム証券で取り扱いがありますが、三井住友カードのクレカ投信積立で0.5%~5%ポイント還元され、保有残高に対してポイントが付与されるSBI証券がオススメの証券会社です。
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SBI・全世界株式・インデックスファンドとは?全世界の株式市場をまるごと買える投資信託
全世界株式インデックスファンドは、世界の株式市場をまるごと買って世界経済の成長のメリットを享受できる投資信託です。
でも全世界株式に1本で投資できるインデックスファンドは昔からあったわけではないんですね。
2010年7月20日に設定された「eMAXIS全世界株式インデックス・ファンド」が全世界に1本で投資できるインデックスファンドとしては最初で、信託報酬は0.675%と現在のインデックスファンドと比べるとちょっと割高な感じでした。
その後2017年9月29日に設定された「楽天・全世界株式インデックスファンド」が1本で全世界株式に投資できる利点でもコスト面でも当時最強と目されたファンドとして登場したことで、その後劇的にコストが下がったインデックスファンドが次から次に登場してきます。
これにSBIアセットマネジメントが対抗馬として、2017年12月に「EXE-iつみたてグローバル株式」というファンドの名称を変更して信託報酬0.1102%という低コストで全世界株式に投資できるインデックスファンドとしてリメイクして売り出したのが『SBI・全世界株式・インデックスファンド』なのです。
そのため厳密にFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動しているとはいえない部分があります。
SBI・全世界株式・インデックスファンドのベンチマークは?FTSE・MSCI
全世界株式インデックスファンドは、連動を目指しているベンチマークは以下の2つがあります。
- FTSE・グローバルオールキャップインデックス
- MSCI・オールカントリーワールドインデックス
『SBI・全世界株式・インデックスファンド』は、①FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスへの連動を目指しているインデックスファンドです。
この2つのインデックスの違いは、MSCI・オールカントリーワールドインデックスが、投資対象国の時価総額85%をカバーしているのに対して、FTSE・グローバルオールキャップインデックスは小型株も対象としているので時価総額98%をカバーしている点です。
ただし、この2つのベンチマークの差は20年間でもパフォーマンスの違いは0.1%程度でしかないので、細かいところは気にしなくても問題はないと思います。
問題は、『SBI・全世界株式・インデックスファンド』の成り立ちが、既存のファンドを無理やりいじってFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動するようにしたファンドに仕立てたため、実際にはその通りのパーフォーマンスにならないことです。
引用:SBI・全世界株式・インデックスファンド 目論見書
このように『SBI・全世界株式・インデックスファンド』は、いろいろなETFに間接投資して構成比をいじって無理やり全世界株式インデックスファンドとして組成されています。
しかし一括で「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」に投資する投信を組成すれば、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動するファンドは出来上がります。
ですので結局、SBIアセットマネジメントは、後に「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」に100%投資する『SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド』というファンドを組成しています。
結論、『SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド』に投資したほうが、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスとの連動性が高く、ETFへの投資とくらべ配当も再投資されるため複利効果が高いと思います。
SBI・全世界株式・インデックスファンド以外の全世界株式インデックスファンド
『SBI・全世界株式・インデックスファンド』は商品設計の段階で無理矢理感があるので、他のインデックスファンドとの比較を載せています。
1本で全世界株式に投資できる投資信託・ETFは以下の7つがあります(⑦はETFです)。
信託報酬/実質コスト | ベンチマーク | 1年リターン (2023年3月まで) | |
①Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式) | 0.05775%/- | MSCI・オールカントリーワールドインデックス | - |
②SBI 全世界株式インデックス・ファンド | 0.11%/0.123% | FTSE・グローバルオールキャップインデックス | -1.23% |
③eMAXIS Slim 全世界株式 | 0.1133%/0.169% | MSCI・オールカントリーワールドインデックス | -1.19% |
④たわらノーロード 全世界株式 | 0.1133%/0.232% | MSCI・オールカントリーワールドインデックス | -1.21% |
⑤SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | 0.0638%/0.163% | FTSE・グローバルオールキャップインデックス | -1.51% |
⑥楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 0.199%/0.225% | FTSE・グローバルオールキャップインデックス | -1.70% |
⑦MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信 (2559) | 0.0858% | MSCI・オールカントリーワールドインデックス | -1.20% |
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忠実にFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスと連動しやすい『SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド』は、まだ実質コストが高いですが純資産額が増加するに従って解消される問題だと思います。
ここ最近では、2024年に新NISAがはじまることを踏まえて投資需要を取り込むため競争が激化しています。
いまのところ純資産が1兆円に達した『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』が圧倒的な王者ですが、アセットマネジメントOneの「たわらノーロード全世界株式」の信託報酬率を対抗して引き下げ、日興アセットマネジメントから「Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)」が販売されるなど色々ニュースが飛び出しています。
全世界株式インデックスファンドは、世界の株式市場をまるごと買って世界経済の成長のメリットを享受できる投資信託です。これまで長い間、三菱UFJ国債投信の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』が、連動する指数への乖[…]
『SBI・全世界株式・インデックスファンド』は、『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』に対抗するために信託報酬率を引き下げたりしていましたが、「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」が登場してきたことで立場が微妙になってきた感じです。
本来、投資信託は次から次へ新しいファンドを売り込むのではなくて、『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』のように長く販売して大きな純資産に育てることでコスト削減を図るのが本来のあり方です。
こんにちは、cohamizu(@cohamizu1)です。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)/通称「オルカン」の純資産がとうとう1兆円を突破しました(2023年4月14日)。全体でも4位へのランクインで[…]
日本の投資信託はこういった姿勢が欠けていて、純資産を育てて信託報酬率を引き下げれば良いのに、新しい商品を次々に作って純資産が大きくないファンドを量産してしまっています。
『SBI・全世界株式・インデックスファンド』は、商品設計が変な内容だったので、残念ながら純資産額が中途半端なまま「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」が後釜に座っていくことになりそうですね。
SBI・全世界株式・インデックスファンドは実質コストで評価すべき
投資信託の年間保有コストは、目論見書にある信託報酬だけではなく、運用報告書に記載されている「隠れコスト」を合計し実質コストを求めて評価します。
投資信託の運用報告書には、(a)信託報酬だけでなく(b)売買委託手数料、(c)有価証券取引税、(d)その他費用がかかります。
ですのでこれらの非常をすべて加算した実質コスト(金額)を算出し、より低コストの投資信託を選択すべきです。
引用:SBI・全世界株式・インデックスファンドの運用報告書
上記は、『SBI・全世界株式・インデックスファンド』の運用報告書を引用したものですが、ここから算出したものが実質コストになります。
この実質コストを率に直す場合は以下の公式となります。
実質コスト(率)
=実質コスト(額)÷基準価額×100
=実質コスト(額)÷(信託報酬額÷信託報酬率)×100
=実質コスト(額)×信託報酬率÷信託報酬額×100
ということは、『SBI・全世界株式・インデックスファンド』は、現在のFTSE・MSCIに連動するインデックスファンドの中でもトップレベルであることは間違いないと思います。
ベテラン・初心者でも長期投資はインデックスファンドによる投資がオススメ
投資信託による長期投資による資産設計を意図しているのであれば、『SBI・全世界株式・インデックスファンド』のような低コストのインデックスファンドは堅牢な投資法になると思います。
インデックスファンドはS&P500・日経平均などの指数に連動するように組成されており、市場平均を狙う投資信託です。
一見するとファンドマネージャーがリサーチして厳選して投資したアクティブファンドにパフォーマンスは劣るだろうと思われがちですが、実際の統計によればインデックスファンドにパフォーマンスで勝っているアクティブファンドは1割~2割程度しか存在せず、長期になればなるほどインデックスファンドが有利です。
インデックスファンドの優位性は「SPIVA」スコアカードで確認できる
この根拠はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが発行している「SPIVA」スコアカードで確認でき、インデックスを下回ったアクティブファンドの比率をデータで提供してくれています。
それによると、S&P500・全世界株式・全世界株式(日本除く)では、インデックスを下回ったファンドの比率は以下のようになっています。
ファンドカテゴリー | 比較する指数 | 5年(%) | 10年(%) |
米国株式 | S&P500 | 82.83 | 78.26 |
グローバル株式 | S&Pグローバル1200指数 | 86.55 | 92.70 |
国際株式(日本除く) | S&Pグローバル(日本除く)指数 | 88.68 | 94.23 |
ここで話題にしている全世界株式インデックスでは、10年間でインデックスファンドを上回ったアクティブファンドは、7.3%しか存在しません。
年数をもっと長くすればさらにパフォーマンスが下回るファンドの比率は増えると思います。
ファンドマネージャーが優れた運用をしていても、必ずインデックスを上回ることができるかは全くわからず、調子の悪い時期があればインデックスとの差は開いていきます。
インデックス投資は全世界株式・S&P500(もしくは全米株式)どちらが良い?
SNSやブログでも話題なのが、インデックス投資で全世界の株式市場の時価増額で50%を占める米国株式へ投資するのか、それとも全世界株式への投資にするのかという意見です。
大きな違いとしては、全世界株式は新興国を組み入れており、期待できるリターンが高い一方で世界的に株価指数が不調な時期には、全世界株式のほうが下落率が高くなるリスクがあります。
しかし2022年後半から2023年半ばまでは、米国株が低迷する一方で欧州株は高値を更新しており全世界株式インデックスならこういった地域の成長を取り込むことができます。
ですので、どこが伸びていくのか神様でなければ予見できない以上は、全世界株式に時価総額で投資してくれる『SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド』で網羅したほうが良いのではないでしょうか。
アメリカの代表的な株価指数といえば、多くは「ダウ平均株価」と答えると思います。しかしダウ平均株価は別名「ニューヨークダウ」とも呼ばれており、30銘柄で構成された株価の平均値で、銘柄数としては非常に少なく、時価総額が大きくてもAmaz[…]
SBI・全世界株式・インデックスファンドで資産運用するときの注意点
というわけで『SBI・全世界株式・インデックスファンド』が、コストは最安値である一方で商品設計的に無理がある点を説明してきました。
もう投資済みなら無理に解約しなくても良いですが、忠実にFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動する『SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド』の方が新規の投資なら向いていると思います。
ただ投資するときに他のブログやSNSでは、「S&P500・全世界株式に積立投資すれば基本右肩上がり」という論調をよく見かけますが、必ずしもそうなるわけではありません。
現に10年もの間、いくら投資しても「リターンなし」という時期も時々発生しています。
代表的な例が1970年代のスタグフレーションの時代です。
1970年代のスタグフレーション時代ではS&P500は悲惨なリターン
スタグフレーションとは、物価高・景気後退が同時に発生する時代です。
株価指数が右肩上がりだったこの40年間は、比較的低インフレで低金利のリフレーションの時代で、たしかに株式投資はうまくいきやすい環境だったと思います。
しかし、1970年代の物価高・景気後退に悩んだスタグフレーション時代では1973年から8年間S&P500のリターンは13%程度で、1974年には最大で半値にまで暴落しています。
これは実は当たり前のことで、インフレを抑制するため中央銀行にあたるFED(連邦準備制度)が金利を引き上げて需要を抑制するため、キャッシュフローが稼げていない会社は借り入れで資金を回すため利益がこの金利分削られることになります。
またこれまで低金利で借り換えて運営されてきた会社などは急速に経営が厳しくなり最悪倒産に追い込まれます。
当然、企業は経営が厳しくなり1株あたり純利益=EPSが低下していくため、論理株価は下落することになり、この期間中のS&P500の年率リターンは1%程度にとどまっているため、この時期4%~14%ものインフレでは実質マイナス運用ということになります。
この現象が発生した1973年は、それまで緩和的な金融政策が続いた背景としても2022年と酷似しており、その後の対応も当時と一緒でFEDは急ピッチでFFレートを引き上げ続けている点には注意が必要です。
1970年代のスタグフレーション時代ではゴールドへの投資でバランスを取ることが重要
では、今後『SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド』で投資するメリットはないのか?と思われそうですが、低迷時に買うことで後の上昇に備える意味もあると思います。
ですが長期間低迷が続くと精神的にも厳しいと思いますので、同時期に圧倒的に上昇した投資対象をポートフォリオに加えて上昇が鈍い時のパフォーマンス低下を補えば良いと思います。
その圧倒的に上昇した投資対象というのがゴールド・シルバーです。
同時期には、ゴールドは最大で10倍、シルバーは25倍もの暴騰を演じています。
しかしシルバーに投資する投資信託は組成すらされていません。
せいぜい、ゴールドに投資する投資信託程度ですが、仮に『日興-ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)』へも分散投資した場合は、このファンドは信託報酬率も0.407%と同様のファンドと比べてもそんなに高くもないので十分このスタグフレーション時期の並行運用に向いています。
引用:SBI証券日興-ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)
さすがにインフレを抑えるためにFEDが連続利上げをしていたときには下落しましたが、インフレが鈍化するといち早く上昇に転じており、その上昇率は『SBI・全世界株式・インデックスファンド』を圧倒しています。
6ヶ月 | 1年リターン | 3年リターン | |
SBI・全世界株式・インデックスファンド | 6.33% | -1.34% | 22.69% |
日興-ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり) | 15.17% | -2.55% | 4.08% |
ですので、このスタグフレーションの時期では、『SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド』と『日興-ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)』でバランスをとって運用し株式運用が低調な時期のリターンをゴールドへの投資で補えば良いと思います。
【まとめ】FTSE全世界指数(All-World)に連動するSBI・全世界株式・インデックスファンド
全世界株式の98%をカバーするFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動する『SBI・全世界株式・インデックスファンド』は、今現在全世界株式に投資するファンドとしては実質コストが最安値です。
しかし他の投資信託に対抗して間接投資するETFの構成比を無理やり変えて組成された経緯があるため、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに忠実に連動するわけでなないという欠点があります。
したがって、今後の投資は『SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド』への投資が望ましいと思います。
投資家としてもファンドをあれこれ乗り換えるのではなく、長く成長する可能性のあるファンドへ投資して純資産の増大とともに信託報酬が引出げられる効果を狙った方がよいと思います。
これは本来の投資信託のあり方です。
『SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド』は、SBI証券・auカブコム証券で取り扱いがありますが、三井住友カードのクレカ投信積立で0.5%~5%ポイント還元され、保有残高に対してポイントが付与されるSBI証券がオススメの証券会社です。
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②Tポイント・Pontaポイント・dポイント・Vポイントを利用した株式・投資信託の購入が可能
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