景気回復のために日本は何をすべきなのか

今年、2019年10月に日本政府は消費税を10%へ引き上げるよう準備を進めています。
世界中の経済指標が低下を続けリセッションも目前に迫っているさなか、日本のGDPも成長というよりは貿易収支のマジックでプラスになっただけで、強い数字は見当たらないです。
小売売上の前年比においては2018年11月までは比較的強い状態を維持していたが、目に見えて低下しており前月における4月度の数値は予想1.0%に対し、0.5%のプラスにとどまっています。
1~3月(第1四半期)のGDP寄与に関しても家計消費は政府最終支出と同じくマイナスで最も景気の足を引っ張っている項目と見て良いでしょう。
ちなみについに利下げを検討し始めたアメリカの同じ4月における小売売上は前年同月比で+3.2%でした。
この状況下でなぜ、増税を進めるのか理解に苦しむところです。

なぜ量的緩和は日本では効果がなかったのか

それにしても、アメリカで行われた量的緩和も日銀が遅まきながらも行った量的緩和もかなりの資金量で行われたはずでしたが、アメリカでは景気が拡大し、小売売上が伸び個人消費が拡大しているのに、なぜ日本ではそうならなかったのか。

量的緩和は、アメリカでは2008年の金融危機時に金利が0近辺まで下がったものの金利だけでは効果がなかったため、FRBが最後の買い手となり市中の債券などの資産をドルを刷って買い取り、市中にドルをばらまいた政策です。

大量に市中に注ぎ込まれた資金は、経済を押し上げたが、特に株や不動産などの資産の購入にあてられ、その価値を流れ込んだ資金の量分押し上げる効果が存在する。
そして資産が大きくなると、バランスシートの右側に位置する「負債+資本」は=「資産」とバランスが取れるため、資産が大きくなるということは、資本が蓄積されるまで待たなくても、負債を拡大することで投資を行い、レバレッジを上げて投資効果を高めることができる。

日銀もこのロジックの元、異次元金融緩和に取り組んだはずでした。
しかし、前述の通り経済活動は停滞しており、国民の殆どは景気拡大を実感できないでいる。
これはなぜでしょうか。

量的緩和の限界

量的緩和は限界は一見ないように感じられるが、実は副作用が存在します。
ゼロ金利近辺の低金利で量的緩和を行う手法の副作用は、本来不況下であれば倒産するはずの企業が潰れないで残存することです。
正常な金利化であれば、社債は買い上げられず高い金利にしなければ資金を借りることができない。
しかし、量的緩和下では発行しさえすれば即座に日銀が買い上げるため、本来ならば倒産するはずの事業が倒産しない。
倒産することで非効率な事業が抱えていた人材や資本は、効率的な事業に移されるのだが、倒産しにくい状況下では非効率な事業に元に人材や資本がとどまり、社会全体の生産性は非効率となっていく。
これは経済の共産主義化であり、現実の日本は消滅するはずの事業がなくならず残存し続け、効率的な事業へ人材や資源が移っていかない状態となり日本の生産性の低下を促進してしまう結果となるのです。

また人手不足にもかかわらず労働者の賃金が全く上昇しないこととや、労働条件が良くならないことも、日本の政策や制度に起因するのです。

低賃金の労働を維持しようとする経団連

昨今、話題となった案件の中に、今治タオルの製造は実はベトナムからの技能実習生で支えられており、彼らは低賃金で奴隷のような過酷な状況下で働かされている状況が明らかになっています。
この技能実習生制度は体のいい奴隷制度であり、日本国民として非常に恥ずかしいのですが、この制度は経団連が低賃金の労働力を欲し、それを政府が叶えたところに問題が生じています。
経済界は日本人ではこれまでのように過酷な労働に従事させることができなくなってきたため、その代替を見つけようとしているわけですが、これも量的緩和の副作用と一緒で採算の取れる付加価値を生み出せなくなり、正当な労働条件・正当な賃金で働かせることができなくなった事業はなくなるしか道はなかったはずです。
しかし、 量的緩和と同じく技能実習生制度のような奴隷制度という人権上許されない制度で、外れることが許されない人道という道を外して、抜け道を作ることで本来なくなるはずの事業が存続されています。

この制度がなければ、維持できない非効率的な事業は多く存在しており、それは現実的には消滅し、より効率的な事業展開を行っている事業へ人材や資源が移らなければ経済は生産性を低下させていきます。

経団連は一時しのぎで、低賃金の労働力を確保しようとしたのですが、それは日本の生産性をより一層低下させる結果となります。

では日本はどうするべきだったのか。

終身雇用制度を捨て、残業を前提とする給与体系を改めること

日本は雇用にまつわる法律を変更し、終身雇用を捨て職務に人をつけ、まっとうな報酬を支払うべきです。
デメリットとしては、簡単にレイオフができるため、労働市場は固定化された安定状態ではなく、常に流動的になります。

理由は上記の記事で述べていますが、
おさらいすると、
1)日本企業は終身雇用制を前提にしており、簡単には首切りができません。
2)不景気になったとき日本の企業は、簡単にレイオフできないために、労働時間(残業)を減らすことで対応してきました。逆に景気が良いときは人をあまり増やさずに残業を増やすことで対応してきたのです。
3)36協定というのは、それを促進する抜け道で、企業が業績を拡大している時にたくさん残業できて、業績が後退している中では残業を減らしても雇用を確保するようにしてきたのです。

上記3つの理由により、残業を前提とした給与体系がはびこり、基本給が異常に低い状態のままとなっています。
上げようにも、終身雇用制度であるため簡単にレイオフができないリスクを考えると簡単に上げることはできない。
また働き方改革で、残業を削減した結果、実質的な賃金は低下し、手取りが少なくなり消費が活性化しない。
また同じく働き方改革で、減少した労働力を確保するために、かつては派遣労働、現在は技能実習生という外国からの奴隷によって、抜本的な生産性の向上に取り組むことなく労働力が確保できる状況下に甘える限りは根本的な解決にはならないのです。

次に消費を喚起する減税を行うこと

個人消費はGDPの53%を占めているが、これが低迷していることが経済成長が伸びない主たる原因です。
つまり日本政府は、消費を喚起させるため消費税を減税しなければならない。
では財源はどうするのかと常に話がそこで頓挫するが、車の税金もアメリカの30倍も搾取しておいて足りないというのはどれだけ強欲なのだろうか。

日本の最大の問題は、与党である自民党が利権組織であり、常に利権を作り予算を配分しそこに企業が群がるという構図を作っていることです。
そこには適正なサービスの価格も存在しないし、日本経済に貢献するものは何もない。
わかり易い例は、 NHKや携帯電話のキャリアであり、監督官庁である総務省も、直接的な天下りはないが関連団体等を天下りに利用している。
そして電波という利権をオークション制ではなく免許性にして、独占させいくらでも料金を徴収できるようにして、それを関連団体に分配している。
現実、携帯電話の平均的な料金は世界の都市の中でも最も高い。
もっとも格安スマホを利用することでこれは回避できるようになったのでマシかも知れないが、NHKは回避不可能である。
これは税金という名のつかない税金であり、適正な料金でサービスを受けることができない国民は次々と搾取され、消費に回すお金は減る一方なのである。
またこれを追求すべき野党は日本ではほぼ存在せず、上記のように国民を搾取する利権に対して追求する政党は皆無なのが情けないところです。

このように様々な利権が自民党によって構築され、その構築するための費用が税金として搾取されている。
これを抜本的にあらため、消費に対するインセンティブを与える減税を行うことが現時点における景気対策なのではないだろうか。